「やり残したことしかない」 渋野日向子&勝みなみは意地の終盤バーディも実らず
<ダウ選手権 2日目◇27日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287ヤード・パー70>
最後の最後まで意地を見せた。トータル1オーバーで迎えたラスト3ホール。渋野日向子と勝みなみのチーム『H&M』は、暫定カットラインが1アンダーであることを知っていた。
週末行きへ後がなかった後半の7番パー3で、勝と渋野はそれぞれ5メートルほどにつけた。「シブコもバーディチャンスだったので、パーをセーブできればいいと思って打った」。この勝のパットも決まりバーディを記録した。さらに最終9番でもそれぞれが2打目でピンを狙い、残り100ヤードから絡めた渋野がバーディ締め。「悔いが残らないようなショットが打てた」。終盤に粘り、一度は決勝進出ラインに滑り込んだが、結果的に伸ばしあいのなかカットラインは4アンダーまで上がり、トータル1アンダー・49位タイで予選落ちとなった。
この日はそれぞれがプレーしていい方のスコアを採用するフォアボール方式。序盤からそれぞれチャンスにつけるが、バーディパットがなかなかカップに沈まない。前半12番で初バーディを奪ったが、これは勝がベタピンにつけて奪ったもの。5メートル前後のバーディパットで歯ぎしりする場面が目立った。
4番パー3では勝が池につかまり、スコアは渋野に委ねられた。下り5メートルのバーディパットは気合いに後押しされて3メートルオーバー。だが、勝と一緒にラインを読んでこれを決め切り、泣きそうな顔になりながらチームみんなで安どした。5番もともにパーオンを逃したが、ボギーを回避。「ボギーは絶対に取らない」という意地を見せたが、「パーパットが入る。いや、バーディパットが入ってよ…」。これが2人の嘆きだ。
同組のジェニファー・カプチョ(米国)とレオナ・マグワイア(アイルランド)ペアは「60」をたたき出して首位に立った。「次元が違った。全部吸い取られている感じ(笑)。きのうに比べたら確実にチャンスはあったので入れたかった」(渋野)。オナーは1度も奪えず、自分たちもその流れに乗ることができなかった。
昨年は遠慮からパターがショートしがちで入らず、今年はそうならないことを心掛けていた。「ことごとく入らなかった。打っているつもりはないんだけれど強い。気持ちが入っていないようで入っていた」(勝)。“決めたい”という思いが、あふれすぎてしまった。
「前半にもう1個、2個取れていれば、絶対に流れはよかった」。初日「73」の出遅れを赤字まで戻したが、惜しくも週末行きを逃した。3日目に披露予定だった18番ホールでのダンスも次回にお預けだ。
渋野は「やり残したことしかない」、勝も「ひとつもできていない」と悔しさは募るばかり。来年も再びチームH&Mを結成し、リベンジすることになりそうだ。(文・笠井あかり)
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