〈ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2025〉グランプリはフィンランド作品「破れたパンティーストッキング」に決定
米国アカデミー賞が公認するアジア最大級の国際短編映画祭〈ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)〉。2025年は「creative active generative」をテーマに多彩な作品を上映・配信してきたが、いよいよ6月11日(水)にアワードセレモニーを迎え、各賞が発表・授与された。グランプリにあたる〈ジョージ・ルーカス アワード〉には、フィンランドのファビアン・ムンスターヤーム監督作「破れたパンティーストッキング」が輝いた。
■SSFF & ASIA 2025グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」受賞作品
ライブアクション部門 インターナショナル 優秀賞【第98回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
「破れたパンティーストッキング」(Pantyhose)
監督名:ファビアン・ムンスターヤーム/14:30/フィンランド/ドラマ/2024
【あらすじ】イベントに出席するため家を出ようとしているカップル。鍵、スマホ、招待状など大事なものはすべて持った。ところがパンストに穴が!
〈他の受賞作〉
■ライブアクション部門 アジアインターナショナル 優秀賞/東京都知事賞【第98回アカデミー賞ノミネート候補】
「燃夜」
監督名:ディーモン・ウォン/20:08/香港/ドラマ/2024
■ライブアクション部門 ジャパン 優秀賞/東京都知事賞【第98回アカデミー賞ノミネート候補】
「逆さまの天才」
監督名:西遼太郎/5:52/日本/エクスペリメンタル/2024
■ノンフィクション部門 優秀賞【第98回アカデミー賞ノミネート候補】
「塀の中で」
監督名:ネイサン・フェーガン/14:59/アイルランド/ノンフィクション/2024
■アニメーション部門 優秀賞【第98回アカデミー賞ノミネート候補】
「夏の白夜」
監督名:ルーク・アンガス/11:00/スコットランド/ドラマ/2024
■U-25 プロジェクト 優秀賞
「楽しいバレンタイン・デー」(Happy Valentine’s Day)
監督名:柴田九/4:48/日本/ミュージックビデオ/2024
■講談社シネマクリエイターズラボ
来世のせいら/Where Seira Isn’t 緒方一智/Kazutomo Ogata
楽屋裏/Backstage 八幡貴美/Kimi Yawata
おっとのあし/Husband’s Leg 古舘寛治/Kanji Furutachi
■Shibuya Diversity Award
「いきがい」(Ikigai)
監督名:トレント・クーパー/20:12/アメリカ/ノンフィクション/2023
■HOPPY HAPPY AWARD
「さんぽ道」
監督名:香月彩里/16:14/日本/ドラマ/2025
■最震賞 supported by CRG
「ABYSS」
監督名:野上鉄晃/14:16/日本/ドラマ/2024
■サイバーエージェント縦型アワード
こねこフィルム
■グローバルスポットライトアワード
「マリオン」
監督名:ジョー・ウェイランド&フィン・コンスタンティン/13:17/フランス、イギリス/ドラマ/2024
今回の出品作を審査員は次のように評している。
「多彩なアプローチと表現技法を通じて、現代における人間と社会のあり方を鋭く照射する作品群。気候変動、パレスチナ問題、発達障害、ルッキズムといった今日的なモチーフが並ぶ一方で、個人の内面や親密な関係性に丁寧に寄り添う作品も多く、社会的な射程と個別の視点の共存が印象に残りました」(福間美由紀)
「我々人間とは何者なのだろうか?という問い、いや叫びのような強いメッセージ。そこに対比されるのは、人類社会であり、地球環境であり宇宙であり生命でした。小さなストーリーにも俯瞰的なストーリーにも壮大なビジョンが背後にありました」(杉山知之)
「作品それぞれに散りばめられているメッセージを読み解いたり想像するのは本当に楽しかった。戦争や自然破壊など、人類の営みが生じさせる様々な弊害や愚行に視点を置いた作品が多くエントリーされているのは現在我々を取り囲む環境の写し鏡だと思いました」(小田井涼平)
受賞作を含むオフィシャルコンペティションノミネート作品の配信は、映画祭オンライングランドシアターで6月30日(月)まで延長して行われる。引き続き楽しみたい。
記事提供元:キネマ旬報WEB
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