プロテスト合格で憧れの姉弟子・上田桃子から“発破” 千田萌花は“今に見てろ精神”胸にツアー初Vへ
イチオシスト
<Dormy Ladies Cup 事前情報◇10日◇上野原カントリークラブ(山梨県)◇6190ヤード・パー72>
先週7日までJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)で行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテストに合格した22歳の千田萌花(ちだ・もえか)が、11日に行われるマイナビネクストヒロインツアー(以下、ネクヒロ)今季第16戦に出場する。
6度目の挑戦で試練を乗り越えた直後とあって、その心境は「実感が湧かない」というのが本音。ただ、「(祝福の)電話とメールが追いつかないくらい。うれしいですね」と、しっかりと喜びをかみしめている。
高校時代から5年間、二人三脚でプロ入りを目指してきた「恩人」の辻村明志コーチとも一緒に歓喜を分かち合った。「アマチュア時代、何の実績もなかった私にずっと全力で向き合ってくれました。辻村さんがいなかったら、ゴルフを続けていたかも分からない」。そう言って感謝する千田には、大事にしてきた師匠からの言葉がある。『今に見てろという気持ちでやれ』。何度跳ね返されても、この言葉に支えられ挑戦を続けてきた。
そこでは、プロで戦う心構えも教えてくれた。2024年シーズンをもって引退した通算17勝の上田桃子は姉弟子にあたるが、その姿を間近で見てきたことは「財産」になっている。
「たくさん厳しい言葉もいただきました」。プロテスト終了後も「憧れ」のひとりとして名前を挙げていた上田からは、『おめでとう』の言葉ももらった。「返事ではっちゃけるわけにはいかないから、『ありがとうございます』って送ったら、『もっと喜べ』って言われちゃいました」。こう笑いながら振り返るが、ツアーの第一線から去っても、いつまでも尊敬する先輩に変わりはない。
今年から参戦するネクヒロでは、試合に来るたびに刺激をもらった。「プロテスト中も思ったことですが、このツアーで安定したゴルフを学ぶことができました。選手のレベルも高いし、アンダーで回るための技術もついた」。みな同じ志を持つ仲間であり、ライバル。ここでの経験も貴重な財産になるはずだ。
今季ネクヒロには10試合に出場。うち6試合でトップ10入りを果たしているが、優勝はまだない。「なかなか勝てなくて悔しい一年でした。(今季)残り2試合で優勝を目指したい」。来週20日からのシーズン最終戦「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル」は優勝賞金500万円が懸けられる。「ホント欲しいです! この試合は、そのことを考えて…自分に勝ちたい」と、力もこもる。
ここでの優勝で「QTへ向けいい流れを作りたい」という思いもある。11月25日から始まる1次QTから、来季のレギュラーツアー出場権を懸けた戦いも始まる。心残りがない状態で、ネクヒロ卒業の日、そしてJLPGAツアー入学の日を迎えたい。(文・間宮輝憲)
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