米国の高校、大学で腕を磨いた24歳の“逆輸入プロ”が9位発進 復調した飛ばし屋はケプカに感謝?
<パナソニックオープン 初日◇25日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6993ヤード・パー71>
今季からレギュラーツアーに参戦している24歳の森山友貴が「66」をマークし、2度目のトップ10発進となる9位で初日を終えた。ドライビングディスタンスは今季4位の310.35ヤードを誇る飛ばし屋が、自慢の飛距離を見せつけたのが、387ヤードの10番パー4だ。
「ドライバーで残り85ヤードまで行って、2打目は56度のウェッジでバックスピンがかかりすぎるのを警戒して打ちました。見えなかったけど、ワンバウンドで入ったのかな」
ティショットを単純計算で軽々と302ヤード先のフェアウェイに運び、ウェッジでちょんと打ってイーグルを奪った。15番パー4は飛びすぎの突き抜けで痛恨のダブルボギーに悔しがる。バーディで締めた右ドッグレッグの最終18番パー5はフェアウェイ右サイドからの2打目を花道まで持ってきた。本来の球筋はドローだが、前方の大きな木を避けて技ありのフェードを披露。前日に動画で見ていたブルックス・ケプカ(米国)のスイングをイメージしての会心のショットだった。
「18番の2打目はピンまで265ヤードくらい。7番ウッドで2オンを狙ったけど、ちょっと手前になっちゃいました。フェードで攻めた分、ショートでしたね」
ショットは最近、荒れ気味だった。気になったのは右に出る球。「思い切ってフェードで攻めてもいいかなと。フェードといえばケプカでしょう。タイミングだったり、腕の使い方だったり。単純にいいイメージを頭に入れたかったけど、スピードも戻って、きょうはよかったです」。1イーグル・7バーディ・2ボギー・1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフにも自己採点は及第点。実はじっくり見たのは「初めてです」というケプカのおかげで、同じく9位だった8月の「Sansan KBCオーガスタ」に続くスタートダッシュに成功した。
横浜市出身で、クラブチャンピオンにもなった父親の影響でゴルフを始めた。8歳で初めて「世界ジュニア」に出場。「そのときからアメリカでゴルフがしたいと思った。大学に行きたいと思ったのは中学のとき。一番魅力を感じたのは環境ですね」。中学まで日本と米国を行き来し、米ネバダ州ラスベガスの高校に進学した。大学はオレゴン大に2年通い、ネバダ大ラスベガス校に編入。昨年5月の卒業と同時にQTに挑戦してプロ転向し、この年から始まった米3部ツアーに当たるPGAツアーアメリカズに参戦した。
「将来はPGAでプレーしたい。でも、自分は日本人。小さなころから日本のツアーも見ていたし、日本でまず一回やってみようと思いました。結構、苦労していますけど」
日本のQTも昨年受けて、最終まで進んで2位通過を果たし、今季ツアーデビュー。下部のACNツアーには昨年2試合に出て、今年7月には初優勝した。レギュラーは「KBCオーガスタ」の17位が最高。「なかなか結果が出ないけど、とにかく頑張りたい」。長い米国生活で昨年は苦労したという日本語での会話もスムーズになった“逆輸入プロ”は、ゴルフも右肩上がり。ここからさらに順位を上げていく。(文・臼杵孝志)
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