史上最年少プロの加藤金次郎はイーブンパー87位発進 “雨のち晴れ”のデビューに「前半30点。後半100点」
<パナソニックオープン 初日◇25日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6993ヤード・パー71>
歴史に名を刻むティショットがフェアウェイに飛んだ。ツアー史上最年少となる15歳142日のプロデビュー。中学生プロの加藤金次郎(愛知・水無瀬中3年)は特別な日にも、心に揺れはなかった。
「そんなに緊張しませんでした。ティショットもいい感じで打てました。パットもいい感じで打てたので、入ったと思ったけど…。ちょっと悔しかったです」
インの10番パー4から出て、2打目はグリーン奥のエッジにこぼれた。パターでのバーディトライはカップを2.5メートルほどオーバーし、パーパットはカップに蹴られた。11番パー4もパーオンを逃し、2連続ボギーの船出。15番パー4でもスコアを落としたが、慌てず騒がずだ。
後半は3バーディ・ボギーなし。残り130ヤードの2打目をピンそば3メートルにつけた5番パー4でプロ初バーディを奪い、8番パー4で7メートル、9番パー5で2.5メートルをきれいに沈め、鮮やかな2連続バーディで締めた。
パーオン率は66.7%(12/18)。同組の杉浦悠太、小木曽喬に20~30ヤードほど置いていかれたドライバーの飛距離は、2打目以降のショットの正確性でカバーした。
「前半と後半でまったく違うプレーでした。前半は30点くらいだったけど、後半100点に近いくらいのプレーができた。このゴルフをあしたも続けていきたい」
大阪のギャラリーの存在も大きな力となった。「金ちゃん、頑張れ!」「金次郎、ナイス!」といった声が何度も飛んだ。愛知・瀬戸市出身に加藤に対し、「地元じゃないのに、多くの方が来てくださった。応援は力になるし、気持ちよくラウンドできました。『ナイスショット』とか声をもらえると、すごく力になります」。重圧とは無縁。緊張することなく18ホールを完走した。しかも、最後は2連続バーディ。生まれたてのルーキーは見せ場を心得ている。
イーブンパーのままでは予選通過は厳しい。「でも、きょうの後半はショット、パットともいい感じだった。このゴルフを続けていければ…。ファンのみなさんが『来て良かった』と思えるようなゴルフがしたい」。アマ時代に出場した4試合で一度もなかった決勝ラウンドへ―。2日目は前半も、後半も100点満点を目指す。(文・臼杵孝志)
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