中学3年生の目指す道 史上最年少プロ・加藤金次郎がデビュー戦を前に会見「すごくワクワクしています」
<パナソニックオープン 事前情報◇24日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6993ヤード・パー71>
22日に史上最年少の15歳139日でプロ宣言した加藤金次郎(愛知・水無瀬中3年)が記者会見し、プロデビュー戦を前に「今はすごくワクワクしています。ゴルフを始めたときからプロになりたいと思っていた。プロとしてこの舞台に立てることができてうれしい。楽しみな気持ちでいっぱいです」と笑顔で話した。
アマ卒業となった前週の「ANAオープン」までレギュラーツアー4試合に出場。すべて予選落ちだったが、ツアーデビューした昨年8月の「横浜ミナトチャンピオンシップ」、前週の「ANAオープン」はプロに交じって主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を突破しての出場だった。
5月の「中日クラウンズ」、「ミズノオープン」は予選カットラインにあと1打と健闘。7月の「日本アマ」は6位、来季の出場優先順位を決めるQTは奈良柳生CCで行われた2週前の1次を2位で通過するなど、15歳は着実に実績を積み重ねている。「自分もプロの世界で戦えるかもしれない。もっともっとこの舞台で戦いたいと思った」と、中学卒業を待たずにプロとなることを決めた。
ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)のツアー規定「義務教育期間中の選手はツアープレーヤーとなることができない」により、今大会を含めた今季獲得賞金はランキングの対象外となる。たとえ優勝しても、優勝による2年シードも一時凍結となり、地元の高校に進学予定の来年から適用される。ツアーメンバーとなるのも中学卒業後。だが、賞金は今年から手に入る。
「ゴルフは本当にお金がかかるスポーツ。両親には道具代や遠征費など、すごく支えてもらったので、しっかり結果を出して恩返しがしたいです」
『金次郎』という名前は父・景三さんが命名してくれた。「父親が姓名判断の方に見てもらって決めたと聞いています。すぐ覚えてもらえるので、気に入っています」。サインは楷書で『金次郎』と丁寧に書いてきた。「プロになっても「まだ新しいサインは考えていません。これまで通りの『金次郎』でいきます」と笑った。4学年上の兄・蔵乃介さんは野球に打ち込み、静岡・浜松開誠館高2年時の2023年に夏の甲子園に出場。現在は関西大の野球部で活躍している。
ともに古風な名前を持つ兄弟は、兄が野球、弟はゴルフでそれぞれの未来を切り開いていく。2010年5月6日に生まれ、その4日前に石川遼が「中日クランズ」の最終日に“58”の当時世界記録をマークした。「石川遼プロといえばスターというイメージ。ファンに愛されているし、魅せるゴルフをするプロ。僕もそういう選手になりたい」。今週、石川は残念ながら欠場するが、ANAオープンでは「マンデー通過、おめでとう」と声をかけてもらった。
QTの2次、3次をクリアし、12月の最終QTで20位以内に入れば来季前半戦のほぼ全試合に出場できる。15歳142日で迎えるプロデビュー戦。詳細な記録が残る1985年以降ではジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)の15歳300日を更新してプロ最年少出場となる。
「今年の目標はQTで20位以内に入って、来季の出場権を獲得すること。将来は日本を代表するような選手になって、海外で活躍したい」。大いなる夢に向かって、力強くスタートを切る。(文・臼杵孝志)
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