今さら聞けない「ブルーレイ」と「DVD」の違い! 旧作をブルーレイに買い替える意味はある?
映画やドラマ、アニメを自宅で楽しむ際に欠かせない『ブルーレイ』及び『DVD』ですが、過去に購入したDVDボックスをブルーレイボックスに買い替えるとなると出費の大きさに尻込みしてしまう方も中にはいるのでは?
・自宅のテレビのサイズが小さく、なおかつ4K対応ではない
・そもそも80年代や90年代、00年代などの古い作品の視聴をするため、マスターの映像が必ずしも高画質ではない
といった場合、旧作をブルーレイに買い替える必要はもしかしたらないのかもしれませんよね。するとそもそも「ブルーレイが持つDVDに対する優位性」は大したものではないのかもしれません。
そこでこの記事ではブルーレイとDVDの基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、さらには旧作をブルーレイに買い替える価値について、分かりやすく解説していきます。

ブルーレイとDVDの基本的な違い

ブルーレイとDVDの基本的な違いは「容量・画質」と「音質」です。
ブルーレイはDVDに比べて大容量であり、画質はフルHDに対応(※4K対応の規格もあり)。一方でDVDはSD画質であり、大画面の高精細ディスプレイで視聴すると2025年現在では「画質の古めかしさ」が否めない側面があります。同様に音質もブルーレイが勝ります。
一方でこれらの点は裏を返せば「小さな画面での視聴」や「音質を重視しない場合」には、ブルーレイとDVDの差が小さいことも意味します。詳しく見ていきましょう。
容量と画質の違い
DVDの画質は標準画質(SD画質)であるのに対し、ブルーレイは高精細画質(フルHD画質)に対応しており、画素数で比較すると約6倍の違いがあります。特に大画面のハイビジョンテレビで視聴する場合、その差は歴然とし、ブルーレイの方が鮮明でクリア、色彩豊かな映像を再現できます。

一方、たとえば小さなパソコン画面で、光学ドライブを接続したうえでディスクを再生するのであればブルーレイとDVDの画質の差は微々たるものだと感じられることもしばしばです。
音質の違い
音質面でもブルーレイが優位です。DVDが対応する音声フォーマット(ドルビーデジタル、DTSデジタルサラウンド、リニアPCMなど)に加え、ブルーレイではより高音質なデータ規格が採用されています。
対応するサラウンドチャンネルにも差があります。DVDの最大5.1chに対し、ブルーレイは最大7.1chまで対応可能で、より臨場感のあるサラウンド音声を楽しめます。

特にホームシアターを豪華な音響セットで楽しみたいならば、7.1chの環境でブルーレイを再生するのがおすすめです。
一方で良くも悪くも「5.1chで十分」「そもそもテレビ内蔵のスピーカーや、パソコン内蔵のスピーカーでしか再生しない」ならば、音質においてもDVDとブルーレイの差はそれほど大きく感じられないはずです。
耐久性の違い
DVDは読み取りスポットが大きく、多少の傷があっても再生エラーになりにくいという特徴があります。適切に保存すれば10年以上の長期保存も可能です。
一方、ブルーレイは高密度記録ゆえに読み取りスポットが小さく、表面に傷がつくと再生エラーが起きやすい傾向があります。
近年のブルーレイディスクはハードコート加工が施され、傷や汚れに強くなっているとはいえ、ブルーレイに比べて決して画質が良くないDVDが衰退することなく一定の需要を保っている理由は耐久性に一因があると言えるでしょう。
ブルーレイとDVDのコピーガードの違い

ブルーレイはDVDよりも新しい技術であり、より高度な暗号化方式を取り入れることで、コピーガードが強化されています。ブルーレイは高度な暗号化に加え、再生機器のファームウェアを動的に更新することでコピーガードを強化しています。これに比べるとDVDのコピーガードはシンプルなものです。
ただし、ブルーレイの厳しいコピーガードには副作用もあります。たとえば特定の再生機器での再生が制限されたり、あくまで私的な用途での複製も制限される場合があり、正規のユーザーにとっても不便を感じることがあります。
DVDにはこうした制限が比較的少ないため、使い勝手の面ではDVDの方が柔軟性があると言えるかもしれません。
レンタル用途としてのブルーレイ及びDVD
光学ディスクとしての耐久性の高さや、コピーガードの柔軟性においてはブルーレイよりもDVDの方が総じて「使い勝手が良い」です。そのため、特にレンタル店ではブルーレイよりもDVDがいまでも重用されている場合があります。
レンタル店にとっては顧客が多少乱雑にディスクを扱ったとしても、ディスクが再生不能になるリスクが小さく、なおかつディスク研磨をしても映像データに支障が出る可能性が小さいためです。また借りたユーザーにとっても総じて「ディスクの使い勝手が良い」と言えます。
古いDVDを「ブルーレイに買い替える」意味はある?
ブルーレイの強みを引き出す視聴環境は、1080pの高解像度映像と7.1chサラウンドサウンドをフルに活用できるセットアップです。
ブルーレイの映像は1080p(1920×1080ピクセル)で提供されるため、これを鮮明に表示できるテレビが必要です。HDR(High Dynamic Range)対応のテレビであれば、さらにコントラストや色彩が豊かになり、映像美を堪能できます。
さらに音質の良さを生かすにはオーディオレシーバーや7.1chの再生環境が必要です。こうした視聴環境があるならば、お気に入りのコンサート映像のDVDなどをブルーレイに買い替えるのは一案です。
逆に言えばそうした環境がないならば、DVDとブルーレイの違いはそれほど大きくないと感じられるはずです。お気に入りの旧作がDVDとブルーレイの両方で出ているならば、特典映像やリマスタリングの有無を重視すると良いでしょう。「ディスクの差」ではなく「マスタリングの違い」で映像や音質に差が出ている場合も多いと言えます。
※サムネイル画像(Image:Jeppe Gustafsson / Shutterstock.com・Hadrian / Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
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