西武鉄道、新型レストラン列車を2028年3月導入!妹島和世氏がデザイン、「日本一の厨房車両」も搭載
西武鉄道は2025年10月21日、新型レストラン列車を新造し、2028年3月から運行を開始すると発表しました。レストランの開発・営業パートナーとして株式会社バルニバービを迎え、両社で列車を運行します。車両デザインは、西武鉄道の特急「Laview(ラビュー)」に続き、建築家の妹島和世氏が担当。厨房面積が「日本一の厨房車両」(西武鉄道調べ)を搭載し、格別な食体験の提供を目指します。
現行「52席の至福」の価値をさらに高める
同社は2016年から全席でフルコース料理を提供する「西武 旅するレストラン 52席の至福」を運行しており、これまでに8万人以上が乗車しています。東京都内を発着する唯一のレストラン列車として高い評価を得てきました。
新たに導入する新型レストラン列車では、「52席の至福」が紡いできた価値を一層高め、「大切な人と過ごす、かけがえのない時間」を追求するとしています。洗練された車内空間で、心に深く刻まれる料理を提供し、乗客の特別な日に彩りを添えたい考えです。
デザインは妹島和世氏、Laviewベースの「鏡の車体」
新型車両は特急「Laview」をベースに新造。デザインはLaviewに引き続き、世界的に評価を受ける建築家・妹島和世氏が担当します。妹島氏は、2010年に建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞し、2024年度「文化功労者」にも選出されています。
デザインコンセプトについて、妹島和世建築設計事務所は「Laviewをベースとしながら、外観はさらに映像的な佇まいとなるように、また内部はやわらかな印象を感じるように家具をデザインしました」とコメントしています。
Laviewの特徴である「やわらかく風景に溶け込むデザイン」をさらに進化させ、鏡のように輝く車体となり、沿線の魅力を映し出します。車内はグレーを基調としたトーンで、料理や景色が引き立つようスポットライトやテーブルライトが設置されます。


また、先頭車両(1号車)には、西武鉄道初となる8名程度の個室が1部屋設けられ、前方展望も楽しめる贅沢なプライベート空間となる予定です。

「日本一の厨房車両」で本格フルコースを提供
レストラン運営のパートナーとなる株式会社バルニバービは、「食から始まる日本創再生」をビジョンに掲げ、全国に102店舗のレストラン等を展開する企業です。
新型列車では、1編成(4両)のうち3号車を1両丸ごと厨房車両とします。この厨房面積は、現在日本国内で定期運行されている列車において「日本一の厨房車両」となるとのことです(2025年9月末時点、西武鉄道調べ)。約70名の乗客全員に温かい料理を熱々のまま提供することにこだわった、大規模な厨房設備となります。
料理はバルニバービグループの総料理長である大筆秀樹氏が監修。沿線の豊かな自然や食材、人々の物語を「食」という体験に変え、心まで満たされる美味しいフルコース料理を提供するとしています。
関係者コメント
建築家・妹島和世氏 「Laviewにひきつづき新型車両のデザインをさせていただき大変光栄です。この車両からの風景と特別な時間を楽しんでいただけたらと思います。西武線沿線のみならず皆さまに愛されるようなレストラン列車になれば幸いです」
株式会社バルニバービ 代表取締役会長 佐藤 裕久氏 「豊かな自然や食材、そして人々の物語を『食』という体験に変え、訪れる人の心に刻むことができれば、それは地域の誇りになるはずです。観光客やインバウンドの方々はもちろん、地域に暮らす人々が『自分たちの街にこんな列車がある』と胸を張れる存在にしたい。(中略)この列車が西武線沿線の潜在力を呼び覚まし、世代を越えて愛されるフラッグシップとなるよう、全力で挑んでまいります」
新型レストラン列車 概要
【導入時期】2028年3月(予定)
【導入形態】新造車両
【車両数】1編成4両(厨房車両1両【3号車】・客席車両3両【1・2・4号車】)
【定員】70名程度(8名程度の個室1部屋を含む)
【営業形態】車内で調理したフルコース料理を提供する全席レストラン列車
【運行区間】池袋線・新宿線・西武秩父線など
【運行日数】臨時電車として、週末を中心に年150日程度を予定(金・土・日・祝日中心、平日貸切運行なども想定)
【デザイナー】妹島和世(株式会社妹島和世建築設計事務所)
【レストラン経営】株式会社バルニバービ
【総料理長】大筆秀樹(株式会社バルニバービ 執行役員 総料理長)
なお、現行の「52席の至福」は2026年4月に運行開始10周年を迎えますが、2028年3月以降の運行形態については未定であり、決まり次第発表するとしています。
(画像:西武鉄道)
鉄道チャンネル編集部
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記事提供元:鉄道チャンネル
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