「自分に期待しすぎた」シーズン序盤戦 菅楓華がついに悲願成就
<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日◇28日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6590ヤード・パー72>
今季序盤から何度も優勝争いに加わりながら、あと一歩で頂点に届かなかったプロ2年目の菅楓華。悲願の初優勝を、大会ホステスプロとして迎える最高の舞台でついに成し遂げた。
鮮やかな逆転勝利だった。「優勝はあまり意識せず、きょうはビッグスコアを出すことだけを意識してスタートしました」。
2日目とは一転、風もなく穏やかな最終日。上位陣は序盤からスコアを伸ばす展開となり、首位と2打差の7位からスタートした菅もその流れに乗った。1番から3連続バーディを奪うと、前半だけで計5つのバーディ。後半10番で唯一のボギーを叩いたが、14番で取り返し、17番で再びバーディを奪って単独首位に浮上。その勢いを保ったまま、18番もバーディで締めくくり、上がり2ホールで混戦を抜け出した。クラブハウスリーダーとして後続の結果を待つことになった。
後続とは2打差でホールアウト。「すごく長くて、本当に18番はイーグルもある可能性があったので、ドキドキしながらプレーオフのことを考えて待っていました」。最終組の神谷そらが18番パー5で、イーグルの可能性が潰えた瞬間、勝利が確定。パッティンググリーンでキャディや仲間と見守っていた菅は、優勝が決まった瞬間に手で顔を覆い、大粒の涙を流した。
シーズン開幕戦から3試合連続で最終日最終組に入りながら、初優勝には届かなかった。「自分に期待しすぎた」こともあり、中盤戦は思うように優勝争いに絡めず、「気持ち的に下になりすぎていた」と振り返る。それでも、勝利へのモチベーションを奮い立たせ、自信を持ってプレーすることだけを意識して戦い続けてきた。
優勝決定時には、同期の政田夢乃、同学年(2005年度生まれ)の入谷響から祝福を受けた。今季は、入谷がルーキー初優勝、同期の稲垣那奈子や髙野愛姫、さらに日章学園高の同級生でルーキーの荒木優奈が次々と勝利を収め、「すごく焦る時期もあった」。ただ、仲間たちの活躍が刺激となり、「自分も頑張れる」と切磋琢磨できたことに感謝を口にした。
20歳でつかんだ初優勝。今後の目標は「30歳までに賞金女王になる」こと。さらには海外での活躍も視野に入れ、更なる飛躍を誓う。
今回の優勝で、その年のツアー優勝者のみが出場できる最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」への出場も決定付けた。
地元・宮崎で行われる同大会は「目標にしていた」舞台。「1勝して戻れるのがすごくうれしい。また地元開催でたくさんの方が応援に来てくれるので、頑張りたい」と、11月の戦いに胸を膨らませた。(文・齊藤啓介)
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