唯一の“10代合格者” すでにツアーで戦う18歳・丸尾怜央がテストを受験したワケ「プロとして認められていないことも…」
<PGA資格認定プロテスト 最終プロテスト 最終日◇5日◇烏山城カントリークラブ 本丸・三の丸(栃木県)◇7118ヤード・パー70>
2025年の新しいプロゴルファー58人が誕生した。そのなかで、唯一10代で合格したのは、18歳の丸尾怜央(まるお・れお)だ。
「1日目、2日目がよかったので、プレッシャーもかからずにゆっくり回れました」。初日に4アンダーの「66」をマークし首位発進を決めて2日目までキープ。3日目、最終日とそれぞれ1つスコアを落とし「73」となったが、トータル2アンダー・15位タイで“一発合格”となった。
宮崎県出身で2006年生まれの丸尾は、中学3年時に「日本ジュニア12~14歳の部」を制覇。日章学園高3年時には「アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権」で4位に入るなど、ジュニア時代から注目されてきた有望株だ。昨年はアマチュアとしてツアーにも参戦し、QTファイナルにも進出(66位)。同年にプロ転向し、今季は下部ツアーを中心に戦っている。だがレギュラーツアーデビュー戦となった「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では、6位タイと堂々のトップ10入りを果たしている。
QT66位の資格ということもあり、シーズンのスケジュールには多少の空きがあった。そこで「今年は試合も少なかったですし、プロになったらいろんなゴルフ場が安くなったり、知り合いの方、親戚のひとにもプロテストに受かることを期待されている方もいたので、それで受けようと思いました」と、挑戦した理由を明かす。
「システムをあまりわかっていない人だと、プロテストを受かっていないとプロとして認められていないこともある。みんなに『受かりますよ』ってところを見せたかった。受かってよかったです」。プロ転向はしてはいるものの、“セミプロ”と思われがちなこともある。『PGA資格認定プロテスト』の狭き門を突破したことで、「プロゴルファー」と胸を張ることができる。
この4日間を振り返ると、最初の2日間は「上手くマネジメントをしながら」回れたことでスコアをまとめることができた。ただ残りの2日間は「全部うまくいかなくて、ピンの方向に飛んでいるのに、全然(チャンスに)ついていなくて」と7、8メートルほどのパッティングが残るなどタテ距離が合わなかった。「それが気持ち悪かった。日本オープンの予選会もありますし、それに向けて(練習できるのは)土日しかないので頑張りたい」。収穫も得て、9月8~9日に行われている国内メジャー「日本オープン」の最終予選会でリベンジを狙っていく。
丸尾は、ジュニア時代から海外の試合を経験していることから「世界一になること」が自身のゴルフキャリアにおいての目標。まず目指すのは、来季の国内男子ツアーの出場権を得て「賞金王」になることだ。また、自身が目指すプロゴルファーとしての姿は「強いのが1番ですけど、みんなに応援されるような選手になれたらいいなと思います」。初々しい笑顔を見せる18歳の挑戦はまだ始まったばかりだ。(文・高木彩音)
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