全英初開催ロイヤル・ポースコールってどんなコース? リンクスだけど…渋野日向子は「アップダウンもあるような」
<AIG女子オープン 事前情報◇31日◇ロイヤル・ポースコールGC(ウェールズ)◇6748ヤード・パー72>
2025年の海外メジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英)は、ウェールズのロイヤル・ポースコールGCで行われる。「全英シニア」を除き、同国での“全英”開催は男女を通じて初めて。コースの事前情報も少なく、選手は期待感を募らせながら現地入りした。
ウェールズの南部、ブリストル海峡に面するリンクスコース。自然の地形が生かされて風の影響をまともに受ける、“全英らしい”という言葉がぴったりと合う。本来の1番ホールが、今大会では2番に設定されている。1番から4番が海岸沿いで、アウトコースはリンクスの外側を時計回りに展開。インコースはその内側を、毎ホール向きを変えながら位置している。
1890年代にまずは9ホールのコースとして設立。その後、さらに9ホールが作られ、1895年に現在の18ホールの形となった。改良も施され、1909年にはコース名に“ロイヤル”を使用する許可が与えられたが、これはウェールズで2例目。そこから英国ゴルフ協会(R&A)との連携が取られ、多くの大会が開催されるコースへと成長していった。
2019年覇者の渋野日向子は、コースの印象について「風も強いし、けっこう幅の狭いところもあったりする。すごく難しいティショットも多いかなと思う。グリーンは風がある分、ちょっと重たくは感じるので、しっかり打たないといけない」と話す。
さらに、「アップダウンもあるようなないような。すごく下りのところもある」と、単純な広大な平地というよりは、フェアウェイに高低差がある。1番では正面に海を臨む緩やかな下り坂。一方で、7番パー5は左ドッグレッグの上りで、11番は再び海に向かって打つレイアウトだ。13番もティイングエリアから打ち上げで落としどころが見えず、坂を上って2打目地点へと向かうことになる。
22年のミュアフィールド大会以来、2度目の出場となる高橋彩華は「こういうところ(リンクス)ってフェアウェイが広いイメージだったけれど、けっこうタイト。逆に日本ぽいなっていう感じ」と予想外のコンディションに驚きを隠せない。風の影響もかなり強く、「アゲンストのパー4の2打目より、フォローのパー5の2打目の方が短い番手で打てる」と苦笑い。低い球で押さえて打つために、4番アイアンも準備してきたが、ラフから打つ回数が多くなることを踏まえてユーティリティをバッグに入れる予定だ。
風は基本的に海から内陸へと向かって吹く。開幕2日前の火曜日は朝から雨と風が吹き、アゲンストになる1番(418ヤード)では多くの選手が苦しんだ。穏やかな天気であればドライバーで270ヤード地点まで運び、PWでグリーンに届く畑岡奈紗も、その日は2打目が3番ウッドだった。「雨が降ると、全然違ったコースになる」と話すが、これは多くの選手も口をそろえている。
23年の全英シニアでは予選通過ラインがトータル5オーバー。週末に天気が荒れたこともあり、優勝スコアもトータル5オーバーだった。初開催の全英女子がどれくらいのスコアになるのかは誰にも想像ができないが、タフな試合になることは間違いない。(文・笠井あかり)
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