第一子誕生の山村彩恵と夫婦タッグ「稼がないと」 プロ11年目の黒木紀至が『66』の好発進
<リシャール・ミル チャリティトーナメント 初日◇31日◇能登カントリークラブ(石川県)◇7142ヤード・パー72>
プロ11年目の黒木紀至(くろぎ・のりゆき)が人生の伴侶とタッグを組んで、8バーディ・2ボギーの「66」で回り、首位と3打差の10位タイ発進。初日としては自己最高スコアをマークした。
今季のドライビングディスタンス280.92ヤード(90位)、フェアウェイキープ率63.866%(6位)の数字が表す通り、精度で勝負するタイプ。この日は4つあるうちのパー5で3つのバーディを奪い、そのほかも「ショットがついてくれました」と持ち味を発揮してバーディを量産した。
1993年生まれの宮崎県出身。2014年にプロ転向した黒木は、15年にツアーデビューを果たしたが、その後はレギュラーツアーに出場できない年が続いた。そこで22年から12年の賞金王で今季米シニアツアーに参戦している藤田寛之に弟子入り。「もともとドローでしたが習い始めてフェードに変えました」と自身のゴルフに変化を加えると、宮里優作や稲森佑貴らが出場した同年の「九州オープン」で優勝を遂げた。ちょうど最終日は藤田がシニアツアーで初優勝した日と同日で、師弟でよろこびを分かち合った。
藤田のエキスが入ってからレギュラーツアーでも予選を通過するようになり、今季前半戦の出場権をかけたファイナルQTは6位に入るなどステップアップしている。なにより、頑張らないといけない理由がある。今週、キャディバッグを預けるのは女子プロゴルファーの山村彩恵。山村は昨年12月にSNSで結婚と妊娠を報告していたが、お相手が黒木だった。2月下旬に第一子が誕生し、黒木は「家族が増えて稼がないといけない」と力が入る。
もともと別の人をキャディで起用予定だったが急用が入り、急遽夫婦タッグになった。ロープ内で黒木が戦う姿に山村は「頼もしかったです」と話し、「私はバッグを運んでいただけです」と白い歯を見せる。黒木は初タッグに「かみ合わなかったですね(笑)。でも結果的にいいスコアだったのでよかったかなと思います」と話したが、山村の存在は“精神安定剤”になっていたようだ。
今季は開幕から2戦連続で予選通過を果たしたが、その後は5試合連続予選落ち。そのうち4試合は1打差落ちと悔しい結果が続く。「以前は藤田さんにもらったパターを使っていたのですが、少し重く感じていたので、今週は軽いモノを作っていただいていい感じになりました」。パッティングのフィーリングもよくなった。
レギュラーツアー出場17試合目で生涯獲得賞金は443万円余りの男が、夫婦で力をあわせて上位進出を目指す。ちなみに、山村は今年は産休制度を利用して来季からステップ・アップ・ツアーに復帰する予定だという。(文・小高拓)
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