猛暑対策でツアー史上最も早い午前6時スタート 第1組のルーキー加藤麗奈は携帯のライト頼りに練習「午前2時50分に起きました」
<大東建託・いい部屋ネットレディス初日◇24日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡)◇6503ヤード・パー72>
初日の最高気温は35.9度を記録した。選手にも、ギャラリーにも過酷な4日間の開幕。大会側も暑さ対策には万全を期しているが、その一環として今大会は競技開始が各日とも午前6時に設定されている。昨年大会などの午前6時半を30分も“更新”するツアー史上最も早いスタート。競技は早く終わるが、“国内時差”ともいえる時間調整に選手たちは、ひと苦労だった。
「きょうは午前2時50分に起きました。昨日は午後5時に晩ご飯を食べて、8時前には寝ていました。結構、しっかり眠れたけど、スタート前の練習が大変でした」
『超』がつく早寝早起きをケラケラと笑ったのは、第1組で回ったプロ1年目の加藤麗奈だ。この日の福岡の日の出は午前5時25分。その30分以上前にコースに到着したときは、まだ真っ暗。どうやって練習したかというと…。
「私と母とキャディさんの携帯電話のライトをつけて、打っていました。でも、球がどう飛んでいるのか全然わからない。日の入り後はあるけど、日の出前に練習したのは初めてでした」
それでも、1番パー4はグリーン奥のカラーからパターで4メートルを沈める“おはようバーディ”。3月に18歳になった今季のツアーメンバー最年少のルーキーは元気よくコースに飛び出していった。
2週前のステップ・アップ・ツアー「ロイヤルメドゥカップ」で最終日に6打差を逆転し、うれしいプロ初優勝を挙げた。「自分は耐えるゴルフのほうが得意で、伸ばし合いについていけなかった。最近はようやくバーディが取れるゴルフができるようになって、ステップでも優勝ができた。すごく自信になりました」。この日は4バーディ・1ボギーの「69」で31位スタート。「もう少し伸ばせたはず。5アンダーは出したかった」と悔しがったのも成長の証しだ。
大阪・好文学園女子高2年時の2023年に左くるぶし下を疲労骨折したのを機に通信制の大阪ルネサンス高に編入した。「どうしてもプロテストに一発合格したかった。ゴルフに専念できる環境を整えたかったんです」。その思いが通じて昨年のプロテストを突破。最終プロテスト前の9月に再び同じ個所を疲労骨折するアクシデントを乗り越えて、つかんだ合格だった。
ただ疲労骨折が治りきらないまま臨んだ11月下旬の最終QTは、2日目終了時に途中棄権。QTランク104位から始まったプロ1年目はステップが主戦場になっている。現状、確定している今後のレギュラーツアーはステップの優勝で出場資格を得た9月の「ソニー 日本女子プロ選手権」だけ。今週は暫定リランキング62位から浮上をかけた大事な試合でもある。
「出るからには優勝を目指したい。3位に入れば、次の試合に出られる。まずそこが目標です」
スポンサー契約を結ぶロッテからは人気チョコレート菓子「コアラのマーチ」のパッケージそのままの「れいなのマーチ」を作ってもらった。コアラのイラスト部分に加藤の顔写真が入った限定品だ。午前10時20分スタートの2日目は厳しい暑さとの戦いとなるが、若さあふれる“バーディのマーチ”で高みを目指していく。(文・臼杵孝志)
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