プロフェッショナル「麻辣湯の流儀」。絶対に食べるべきトッピングから注文テクニックまで、正しいお作法を中国人が徹底指南!
全国的に大ヒットしている麻辣湯!
中国人が日常で食べている料理〝ガチ中華〟が人気となる中、全国的に大ヒットしているのが「麻辣湯」だ。そんな人気フードの注文のルール、絶対にスルーできないトッピングなどなど、正しい食べ方を紹介してもらいます!
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■中華のカロリーゼロ理論が発動する麻辣湯近年、人気となっているガチ中華。スーパーではガチ系の食材や調味料を手軽に購入でき、今年は大手飲食チェーンの松屋が中国の人民的料理「水煮牛肉」を限定メニューで販売するほど。そんな中、中国人にとっての圧倒的なソウルフードとして君臨するのが麻辣湯だという。
現在、日本国内でも女性を中心に大ブーム中、SNSにはその食リポ動画が大量投稿される麻辣湯とは? その正しい食べ方からオススメのトッピングなどなど、中国人YouTuberのPooちゃんとナユさんにレクチャーしていただきます!
中国人YouTuberのPooちゃん(右)、東京・世田谷で中華料理店「洪記餃子」を両親と営むタレントのナユさん(左)というコンビ。中華料理に精通するナユさんはもちろん、Pooちゃんも中国ではボンボン育ちで幼少期から高級食材を摂取しまくりの圧倒的な食通です
――そもそも、中国人にとっての麻辣湯とはどんなフードなのですか?
Pooちゃん オレ、麻辣湯はほとんど食わないんだよな。あれ、辛いじゃん。
――ちょ、話が違うだろ! 中国人のソウルフードのはずでしょ! では、実家が中華料理屋さんで、ガチ中華から町中華まで精通するナユさん的に、麻辣湯とはどんな食べ物なのでしょうか?
ナユ これ、中国の女性がみんな言ってるんですけど。麻辣湯は〝カロリーゼロ〟なんです。
――その中華のカロリーゼロ理論は絶対にウソ!
ナユ 麻辣湯の具材は野菜やお豆腐、魚の練り物などの低カロリーの食品が中心です。そして、辛いから発汗もします。スープさえガブ飲みしなければ、カロリーゼロ!というのが中華女子の常識なんですよ(笑)。
Pooちゃん だから、女のコに人気なんだよ。うちの実家だと、おかんと姉ちゃんが夜中に食いに行ってるもん。
――Pooちゃんは一緒に行かないの?
Pooちゃん うちの地元だと墓場の隣が麻辣湯屋なんだよ。深夜にそんなとこ行きたくないじゃん。
ナユ 墓場の隣から、北京や上海みたいな大都市のビジネス街にも必ずあるのが麻辣湯なんです。それぐらい、中国人はみんな麻辣湯が大好き!
――麻辣湯を日本の食べ物にたとえると、どのようなポジションなの?
ナユ 見た目や味は全然違いますけど、牛丼に近い感覚ですね。仕事の合間に食べたり、夜食だったりとか。基本、ひとりで行ってすぐ帰る。たまに友達と行ってもおしゃべりをすることはないし、デートや家族でのお食事という感じでもなく、値段的にも牛丼が近いと思います。
――そんな麻辣湯はチェーン店である「楊國福」や「七宝」が都内でも大人気。しかし、これら以外だとお店を探すのも大変だったりする?
ナユ Googleマップで検索すれば地方でもいっぱいヒットしますし、最近は日本のSNSにも麻辣湯動画がたくさんアップされていますから、それをチェックするのがオススメです。
――今回は、おふたりが行きつけの東京・池袋「巴渝菜館(パユーチャカン)」にやって来たわけですが、SNSの動画を見ていると、バイキング形式の注文方法が特殊だったりしますよね?
Pooちゃん まずは、好きな具材を選んで、お店にある容器に入れればOKなんだよ。オレは牛すじや牛もつが好きだから、そればっかり。あと、モヤシとウズラの卵だよな。
――二郎系のトッピングかよ! ナユさん、もっと中国っぽい食材を教えてください。
ナユ 私が絶対に外せないのが「鴨血」です。鴨(アヒル)の血を固めて薄切りにした、コクがあって独特の滑らかな食感が魅力の食材です。火鍋など中国の鍋料理でも定番なんですよ。
Pooちゃん あー! オレは中国っぽいやつだと、湯葉を入れるな。
――それ、日本の食材!
Pooちゃん いや、日本の湯葉とは別物なんだよ。日本の湯葉は薄くて湿ってるじゃん。中国の湯葉は厚みがあって〝ギューッ!〟とした食感で、すっごい食べ応えあるんだよ。これも、どこのお店にもあって「湯葉」とか「干豆腐」って表記されているよ。
ナユ 食感の楽しいトッピングだと、魚の練り物の「魚丸」もオススメです。ボール状の一口サイズで、中には甘辛い肉団子と肉汁が入っているんです。見た目はほぼ日本の練り物と同じですが、弾力のある食感は日本人でもクセになるはず! 牛肉、エビ、イカの練り物もあって、どこの麻辣湯店にも置いてありますよ。
お好みの食材を選ぶのが麻辣湯の醍醐味です!
中国独自の食材を手軽に楽しめるのも麻辣湯の魅力。鴨(アヒル)の血をゼリー状に固めた鴨血
中国版の練り物の魚丸
分厚い湯葉である干豆腐などは大定番。どの麻辣湯店でもこれらを容器に入れ100g単位で料金を支払う
――トッピングする具材を選んだ後は、麺もセレクトするんですよね。
Pooちゃん 普通は春雨なんだけど、オレは中国の湯葉を麺代わりにしちゃうこともあるよな。
ナユ 麺の種類が多いのも麻辣湯の特徴で、基本は低カロリーでさっぱりした春雨。ほかにもスープが絡みやすいトウモロコシ麺、そして中華麺やインスタント麺があります。
Pooちゃん 春雨とインスタント麺を一緒に入れると、もちっとして面白い食感になるんだ。中国人は弾力があったり、もちもちした食感が好きなんだよ。
――トッピングする食材と麺を決定したら、いよいよレジへ行くんですよね。
Pooちゃん どこの店も容器内の食材は肉も野菜も100g単位で300~400円前後。で、レジ前のスケールで重さを量って、料金は前払いだな。
ナユ 支払いの前に重要なのが辛さレベルの選択です! 私の場合はいつも10辛。そもそも麻辣湯は激辛料理の本場・四川省のご当地グルメなので、やはり辛さを強くするのがおいしいです。
――で、Pooちゃんの辛さレベルは?
Pooちゃん 0辛です。
ナユ 四川省の人が聞いたら泣くよ! 台無しだよ!!
Pooちゃん オレ、いつも0辛だよ。この牛骨ダシのスープだけでも十分にうまいじゃん。オレの地元の広東省だと日本と同じような醤油ベースの甘じょっぱい味つけが基本だから、辛いの苦手なんだよ。
だからさ、辛みだれを別皿でもらって、辛みが欲しかったら、これを少しずつ足す。どこの店でも店員さんに言えば無料でやってくれるし、逆に辛くなりすぎたら牛骨スープで薄めてもらえるし。
店では食材と同じくドリンクもセルフ。世界最古のエナジードリンクと呼ばれる王老吉(ワンラオジー)やココナツジュースが人気
――麻辣湯は中国の地方ごとに食べ方が違うのですか?
ナユ 例えば、私の出身の東北地方だとゴマだれを追加しますし、上海だと黒酢を入れます。こういった調味料は店員さんに言えば持ってきてくれますよ。
Pooちゃん 麻辣湯やガチ中華の店は、とにかく「あれやって、これ入れて!」とリクエストすることが大事なんだよ。例えば、ニンニクの風味を強くしたかったら「ニンニクいっぱい!」とか、バイキングの所になくても「ワンタンも入れて!」と言えばそれで作ってくれる。基本、二郎系と同じなんだよな。
麻辣湯以外も食べられる店が良い!
Pooちゃんとナユさんのオススメ店、東京・池袋「巴渝菜館」では麻辣湯以外のメニューも大充実。Pooちゃんの激推しは中国人労働者の定番ランチという猪脚飯(豚足飯)
――ところで、麻辣湯初心者は、どういったお店を選ぶのが正解なのですか?
Pooちゃん オレとしては麻辣湯以外も食える店が正解だよ。例えば、この巴渝菜館だとオレの地元料理「猪脚飯(豚足飯)」があるんだ。白飯に醤油で甘じょっぱく煮込んだ豚足をのせた料理。
オレの実家は工場やってて、そこの労働者の定番ランチで、これが最強にうまい! だからオレ、麻辣湯あんまり食わないんだよ。
で、麻辣湯以外のメニューが充実している店のほうが、中国の食材や料理を日本人にも知ってもらえるじゃん。それで、日本人から〝うまい!〟って絶賛されれば中国人としてもうれしいし、オレもそれに便乗した動画をアップすれば稼げるんだよ(笑)。
――最後に麻辣湯を食べるときの注意点は?
ナユ 中国人の考える辛さレベルと、日本人の辛さ耐性が違うので、うかつに激辛や大辛を選択しないこと!
Pooちゃん やっぱ、オレと同じように〝0辛〟で注文するのが正解なんだよな。
取材・文/直井裕太 撮影/榊 智朗
記事提供元:週プレNEWS
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