プロ野球・新外国人選手をガチ査定! 藤川新監督率いる阪神は5人を獲得、中日は新たな守護神となるか【初来日組・投手編】
(左)デュプランティエ[阪神]30歳/アメリカ/前所属:ブルワーズ傘下/右投左打/【年俸】1億1600万円/「制球ボチボチ、球威・球速◎」で開幕ローテ入り。登板前はマウンド上で片膝をつくのがルーティン。マイケル・ジョーダンにちょい似てる【評価B】 (右)ネルソン[阪神]/29歳/アメリカ/前所属:フィリーズ/右投右打/【年俸】1億3500万円/オープン戦では終始ピリッとせず、自慢のナックルも効果薄。おまけに下肢の違和感で開幕前にリタイア。「2軍新球場が主戦場になりそう」【評価D】
実績十分の目玉選手、知る人ぞ知るシブい実力派、そしてすでに期待外れが濃厚な選手......。NPB2025年シーズン、各球団が獲得した「新外国人選手」を、プロ野球コーチ経験者と現役スコアラーがガチンコ査定します!
今回は「初来日組・投手」編!
*評価は上から順にABCDの4段階。支配下登録選手は「戦力度」、育成契約選手は「将来性」を評価。*年齢は今季開幕時点 *年俸は推定、複数年契約は単年換算 *特別な表記のないコメントは同じリーグの球団に所属する先乗りスコアラーの寸評
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■中日は投手陣の底上げに成功?今季、各球団が獲得した「新外国人選手」は国内移籍、NPB復帰、育成契約も合わせて総勢38人。
中でも藤川球児新監督率いる阪神は、新たに5人の初来日組を獲得し、外国人選手が9人。チーム内での競争は激烈だが、その中で頭ひとつ抜けたのが先発右腕のジョン・デュプランティエだ。
セ・リーグ某球団の先乗りスコアラー(次の対戦カードの相手チームを分析する役職)が解説する。
「球速は150キロ台半ばで驚くほどではないが、いわゆる"伸び"がいい。変化球もカット、スライダーは浮き上がるように動くし、ナックル、チェンジアップ、シンカー系と落ちる球もあります」
一方、かつて横浜(現DeNA)の投手コーチを務めた野球解説者の野村弘樹氏は、先発の小笠原慎之介(ポスティングでナショナルズに移籍)と守護神のライデル・マルティネス(巨人が獲得)が抜けた中日の新顔投手に注目する。
マラー[中日]27歳/アメリカ/前所属:アスレチックス/左投右打/【年俸】1億円/身長201㎝、体重118㎏の巨漢ながらスイーパーなど変化球主体の技巧派。MLB移籍の小笠原に代わる先発左腕。名古屋名物ひつまぶしもOK【評価B】
まずは先発左腕のカイル・マラー。MLBでの実績はさほどでもないが、
「ボールの角度がいい。身長が高く手足も長いから、低めにコントロールできれば打者はそうそう打てません。変化球もスライダーとチェンジアップ系が効果的です」
リリーフ右腕のナッシュ・ウォルターズも評価が高い。
「ちょっとコントロールに難がありそうですが、ボールに力があります。それとチェンジアップがいい」(野村氏)
マルテ[中日]30歳/ドミニカ/前所属:フィリーズ/右投右打/【年俸】1億9000万円/「打者の手元で伸びるエグい速球は最速161キロ、制球力も◎。巨人に取られたマルティネスの穴は埋まりそう」。来日を機に金髪に染めた【評価A】
セ某球団スコアラーも中日の補強に太鼓判を押す。
「オープン戦を見ても、マラーは相手の右打者が内角に攻め込まれ、かなり窮屈そうでした。スイーパーも大きく横滑りしていいですね。てこずりそうな投手です。
また、抑え候補のジュニオル・マルテはとにかく球質が重そう。見る限り配球的には単調ですが、"普通に抑えそう"な印象です」
パ・リーグで野村氏が注目するのは、ロッテの先発右腕オースティン・ボス。
「キャンプ終盤時期に来日して登板回数がまだ少ないので判断が難しいですが、球速は150キロそこそこで、投球の大半は変化球という技巧派。難を言えば『これが決め球』と言える球種が見当たらないのですが、ピッチングをよくわかっているタイプで、5回から6回をしっかり消化してくれそうに感じます」
ボス[ロッテ]32歳/アメリカ/前所属:マリナーズ/右投右打/【年俸】3億円/MLB通算207試合登板と実績◎。先発を希望して来日。「球種は多彩だが、決め球に欠ける印象」。覚えたての日本語は「お先です」【評価B】
残念なのはヤクルト。毎年故障者だらけで"ヤ戦病院"というワードがすっかり定着してしまっているが、今季の新外国人投手ピーター・ランバート、マイク・バウマンも早々に故障離脱......(ランバートは3月22日に復帰)。
「ヤクルトは村上宗隆、塩見泰隆と打線の主軸も故障で開幕不在。やっぱり呪われていますね......(苦笑)」(パ・リーグ某球団スコアラー)
ドミンゲス[広島]29歳/ドミニカ/前所属:ホワイトソックス傘下/右投右打/【年俸】7750万円/ドミニカのカープアカデミー在籍歴ありの先発右腕だが「制球はイマイチ」。日本のアニメ・漫画が好きで『BORUTO』のスペイン語版を所有【評価C】
アビラ[ヤクルト]28歳/ベネズエラ/前所属:ガーディアンズ/右投右打/【年俸】1億5000万円/最速156キロ、昨季MLBで54試合登板と実績十分。「巨尻でフォームの安定感が◎」。背番号11は親交があったダルビッシュにあやかった【評価A】
ウィンゲンター[西武]30歳/アメリカ/前所属:カブス/右投右打/【年俸】1億2000万円/201㎝の長身から150キロ台後半の速球を投げ込むリリーバー。「ハマると強いが、走者を出すとイラつく。セットだと球種がバレるクセも」【評価C】
古林睿煬(グーリン・ルェヤン)[日本ハム]24歳/台湾/前所属:台湾・統一/右投右打/【年俸】6000万円/昨季、台湾でMVP受賞の最速157キロ右腕。「2023年のアジアプロ野球チャンピオンシップで名を上げた」。奥さんはアイドル並みのかわいさ【評価B】
ハワード[楽天]28歳/アメリカ/前所属:ガーディアンズ/右投右打/【年俸】1億5000万円/19年プレミア12米国代表で自称・最速158キロも「いまだ真価は見えず」。腰の違和感で開幕ローテ回避。高校時代はビーチバレーとの二刀流【評価C】
取材・文/菊池浩一 撮影/小池義弘 写真/産経新聞社
記事提供元:週プレNEWS
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