史上初の栃木ダービー。“禁断の移籍”で栃木SCから栃木Cを新天地に選んだ森俊貴はどんなパフォーマンスを見せるのか【明治安田J3リーグ第7節プレビュー】

開幕から1カ月と少し。第7節となる今節が3月最後のゲームとなる。少しずつ順位表にバラつきが出始め、チームによってはスタイルが確立され始めているところもあれば、まだまだ発展途上の段階にあるチームもあるなど、今シーズンの勢力図が徐々に浮き彫りになってきた。どのクラブも今月最後のゲームに勝利し、気持ちよく春を迎えたい中、今週末も全国各地で激戦が繰り広げられる。
今節最大の注目カードは、Jリーグの舞台で初めて実現する栃木ダービーだ。栃木SCと栃木シティの激突は激戦必至。カンセキスタジアムとちぎは、栃木SCの黄色と栃木Cの紺の二色に染まり、キックオフ前から意地とプライドがぶつかり合うことは間違いない。“栃木の覇権”を懸けた初対戦となる。
昨季の結果を受けて栃木SCがJ2から降格の憂き目に遭い、栃木シティがJFLから昇格の歓喜を味わったことで実現することになった栃木ダービー。お互いに絶対に負けられないプライドがある。栃木はJの先輩としての威厳を示さなければならないが、栃木CはJリーグ参入1年目 “新参者”ながら開幕ダッシュに成功し、ここまで首位と同勝点の2位に付ける。ここから始まるダービーマッチの歴史。その初戦にふさわしい火花散るバトルが繰り広げられそうだ。
この大一番を象徴する選手が栃木Cに在籍している。栃木SCのアカデミーで育ち、ジュニアユース、ユースから法政大学を経由してトップチームに戻り、5シーズンにわたってプレーした森俊貴が、何と今オフに栃木Cへ電撃移籍。10番を背負った大黒柱の“禁断の移籍”で今回のダービーマッチに複雑な感情を抱く人たちが多くいる中で、新たに纏っている“紺の8番”は、どんなパフォーマンスを見せるのか。
テゲバジャーロ宮崎と鹿児島ユナイテッドFCが、いちご宮崎新富サッカー場で対戦する“九州ダービー”も楽しみな一戦となる。5位宮崎が3位鹿児島をホームに迎える上位直接対決は、序盤戦のターニングポイントになり得るゲームだ。鹿児島がリーグトップの12ゴール、宮崎が4位タイの8ゴールと、両者ともに攻撃力が際立つだけに、打ち合いに発展しても不思議ではない。
今節唯一の土曜開催となる試合では、前節で今シーズン初勝利を挙げた松本山雅FCがFC岐阜と対戦。日曜日にはガイナーレ鳥取とFC琉球がそれぞれアウェイで福島ユナイテッドFC、高知ユナイテッドFCと顔を合わせて連勝を目指す。松本、鳥取、琉球は開幕直後に苦しんだが、2連勝を収めれば一気に順位がジャンプアップする可能性があるだけにモチベーションは高いはずだ。その他、ヴァンラーレ八戸と奈良クラブ、ザスパ群馬とギラヴァンツ北九州、SC相模原とカマタマーレ讃岐、ツエーゲン金沢とAC長野パルセイロ、FC大阪とアスルクラロ沼津のカードが組まれている。
すでに無敗のチームも未勝利のチームもない“戦国J3”。今節も繰り広げられるであろう激しい戦いから目が離せない。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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