テレビを処分する際の『B-CASカード』の廃棄方法と単に捨てた際の危険性
「引っ越しに当たってテレビを廃棄したい」「チューナーレステレビに買い替えてNHK受信料を節約しつつ、チューナー内蔵テレビは廃棄したい」
など古くなったテレビを処分する際に、意外と忘れがちなのが「B-CASカード」の扱いです。テレビで地デジ放送やBS/CSデジタル放送の視聴をする際には必要なカードですが、実は中には契約情報などの個人情報も含まれていることがあります。つまり、単にテレビを廃棄した場合、思わぬリスクが存在します。
今回はテレビを処分する際に見落としがちな、B-CASカードの廃棄方法を解説します。
B-CASカードとは何か?
B-CASカードとは放送の暗号化を解除するための暗号鍵やカード固有のID番号、有料放送の契約情報などが記録されているものです。B-CASカードがなければ、デジタル放送を視聴することができません。

また、B-CASカードの所有権は株式会社B-CASに帰属しており、使用者はあくまで利用権を持っているに過ぎません。そのため、テレビやレコーダーを処分する際は、B-CASカードを適切に処理する必要があり、不適切な廃棄は、個人情報の漏洩や不正利用のリスクを高めます。
特に、有料放送を契約している場合は、カードを廃棄する前に契約解除手続きを行う必要があります。契約解除をせずにカードを廃棄すると、課金が続いてしまうリスクもあります。
B-CASカードの適切な廃棄方法

B-CASカードを廃棄する方法は、大きく分けて2つあります。1つはB-CAS社に返却する方法、もう1つは自己廃棄する方法です。以下に、それぞれの手順を詳しく説明します。
B-CAS社への返却

B-CASカードを返却する場合は、B-CASカスタマーセンターに連絡し、返送用の封筒を送ってもらいます。返却の際には、以下の点に注意してください。
・有料放送(スカパー!、WOWOWなど)を契約している場合は、事前に当該放送局に連絡し、契約の変更または解約手続きを行います。
・返却用の封筒にカードを入れ、指定された住所に送付します。
返却手続きは、カードを安全に処理するための最も確実な方法です。特に、有料放送を契約している場合は、余計な料金を支払わないためにも、必ず返却するようにしましょう。
自己廃棄
返却しない場合は、自己廃棄を行います。ICチップの切断が特に重要な廃棄手段であり、カード裏面にある金色のICチップ部分を、ハサミで確実に切断します。単なる切れ目では不十分で、複数回にわたり切断し、ICチップを物理的に破壊する必要があります。切断後、お住まいの自治体のルールに従って、燃えないゴミとして廃棄します。
B-CASカードを単に捨てた際の危険性
B-CASカードを切断せずに、そのままゴミとして捨ててしまうと第三者による不正視聴や個人情報漏洩のリスクが高まります。
B-CASカードを拾った第三者がそのカードを使って、有料放送を不正に視聴する可能性があります。特に、有料放送を契約している場合は、契約解除手続きを行わずにカードを廃棄すると、継続課金のリスクが発生します。
また、カードに記録された情報が悪用され、不正な契約や詐欺などに利用される可能性もあります。
ICチップにはカード固有のID番号や暗号鍵、有料放送の契約情報などが記録されています。そのためやはりテレビの処分時は「本体の処分」だけでなく、適切なB-CASの廃棄が大切です。切断せずに廃棄すると、個人情報が漏洩する危険性があるので注意しましょう。
テレビとB-CASカードを廃棄した後は『NHK受信料』に注意
なおテレビとB-CASカードを廃棄したとしても、他にNHKが受信可能な機器を所有している場合、NHKの受信契約義務はなくなりません。たとえばもう一台、自宅にテレビを設置している場合は、NHKとの受信契約が必要です。

このほかに、見落としがちなのは「カーナビ」の存在です。所有している車のカーナビがチューナーを内蔵しており、NHKが視聴可能な場合、カーナビがNHK受信料支払い義務の対象となります。そのためテレビを処分するだけでなく、カーナビを処分し、ディスプレイオーディオに付け替えることを検討するのがおすすめです。
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)
記事提供元:スマホライフPLUS
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