トータルドライビング2位の佐久間朱莉の14本を分析! 高MOIヘッドはなぜいいの? なぜ『N.S.PRO 850』を愛用? 芝から打つなら『MAX』が◎?
昨年、ツアー未勝利ながらメルセデス・ランキング8位と躍進し、トータルドライビングでは2位、パーオン率は5位に入った佐久間朱莉。彼女のセッティングを撮影すると、面白いギアを発見。その詳細をレポートしたい。
ドライバーは昨年大ヒットした『G430 MAX 10K』のロフト10度を使用している。女子プロでこのモデルを使っている人は少ないが、そんな彼女のギアについて、クラブフィッターの吉川仁氏に詳しく分析してもらった。
「レベルブロー軌道で振るので、高MOIのピンのヘッドが合うと思います。ヘッド後方に重さがあって、重心深度が深いので、レベルに振ってもつかまって球が上がりやすいですね。シャフトの『レジオフォーミュラ B+ 55 S』は中間が軟らかくて先端が硬いので球を押し込んでいけて方向性が高まりますね」
3Wと5Wは重心深度が深い『G430 MAX』を使用。4Uと5Uの『G430』に関しても、高MOIのヘッドを採用している点はアマチュアが参考にすべきだと語る。
「すごくいいお手本セッティングですね。高MOIヘッドは、ミスヒットしてもブレが少ないので、アマチュア特有の打点のミスを軽減してくれます。また、芝から打つ番手では、ダウンブローで捉えないと上手く打てない。ボールが上がらないという人は、高MOIヘッドだと深重心で球が上がりやすく、やさしく感じるはず。大きなミスが出にくいので参考にしてほしいですね」
アイアンシャフトは女子プロで流行している『N.S.PRO 850GH S』を採用。女子プロは、ドライバーで50グラム台のシャフトを使用する選手が多く、重量フローを考えるとアイアンでは80グラム台が最適となると指摘する。
「その意味で人気となっているのが『N.S.PRO 850GH』です。一般的には『N.S.PRO 950GH』が定番ですが、実は先端のしなりが多くなります。『N.S.PRO 850GH』の特徴は、手元のステップが二重で粘りが生まれること。切り返しでヘッドが暴れず、全体的にしなるのでタメが作れて操作性も高いですね。また、軽量スチールですが、先端の剛性がしっかりしているので、方向性が安定しますね」
佐久間の精度の高いショットはバランスよく整ったセッティングがあってこそ可能となる。2025年こそ、愛用ギアを駆使して初勝利が挙げられるか注目したい。
【佐久間朱莉のクラブセッティング】
1W:ピン G430 MAX 10K(9度+1度で10度/レジオフォーミュラ B+ 55 S)
3W:ピン G430 MAX(15度+1度で16度/レジオフォーミュラ M+ 55 S)
5W:ピン G430 MAX(18度+1度で19度/レジオフォーミュラ M+ 65 S)
4・5U:ピン G430(22度・26度/N.S.PRO プロト)
6I~PW:ピン BLUEPRINT S(N.S.PRO 850GH S)
50・54・58度:ピン S159(N.S.PRO 950GH neo S)
PT:ピン DS72 2021
BALL:タイトリスト PRO V1x
(セッティングは2024年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で撮影)
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