ヤマハワールドを味わい尽くすヤマハファンのためのビッグイベント

イチオシスト

遊び、学び、喜びと、あらゆる面からヤマハの世界に深く入り込めるファンイベント「My Yamaha Motorcycle Day 2025」が2025年10月18日(土)、宮城県の総合モータースポーツ施設「スポーツランドSUGO」にて開催されました。秋晴れの空の下、全国からヤマハファンが続々と集まり、約2,600人の来場者、1,021台のバイクが来場しました。会場では、ヤマハの歴史を語るうえで欠かせないバイクのデモ走行から、最新モデルの開発秘話、EVバイクのデモ走行まで、多彩なコンテンツが展開されました。
抽選で選ばれた来場者による盛大なパレードランも行われ、会場の隅々までヤマハワールド一色に。そんな一日を通して、ヤマハファンの熱気に包まれた「My Yamaha Motorcycle Day 2025」の模様を余すところなくお伝えします。
MOTO INFO掲載日:2025年11月10日
My Yamaha Motorcycle Day 2025レポート

会場がオープンする前からゲート前には来場者の長い列ができ、9時のオープンとともに場内は一気に活気づきました。


来場者を迎える入場ゲートの前には、ヤマハ発動機創立70周年とスポーツランドSUGO開業50周年にちなみ、「わたしとバイクの記念日」をテーマとした巨大なモザイクアートが展示されました。事前に応募したヤマハファンの写真を組み合わせた作品で、ここで記念撮影する来場者の姿が印象的でした。


受付ではイベントの記念品とともに、「〇〇乗りステッカー」が手渡されました。〇〇のところに愛車の車種名を記載して、上着やバッグなどに貼って会場を回ることで、ライダー同士はもちろん、ヤマハのスタッフとのコミュニケーションにも一役を買っていました。

展示エリアでは、ヤマハの最新モデルを見て、触れて、跨ることができる車両展示・体験コーナー「タッチ&トライ」が人気を集めていました。スポーツヘリテージを中心に、アドベンチャーモデルやスクーターを展示しているエリアや、人気のMTシリーズの車両が展示されているエリア、そしてヤマハが誇るスーパースポーツモデルYZF-Rシリーズの排気量ごとのモデルが展示されているエリアが設けられ、気になるバイクに跨って感触を確かめたり、記念撮影したりする来場者の姿で終日賑わっていました。



ヤマハの開発メンバーが、それぞれのモデルについて熱く語り、解説を行うコンテンツが「開発者ライブプレゼンテーション」です。「XSR900の細かすぎて伝わらない話」「TRACER9 GT 中の人、降臨!」「MT-09開発秘話」「MAX誕生秘話」「新型YZF-R25開発こぼれ話」「YZF-9R DNA解剖」「Y-AMTに込めた想いとしくみ」「サスペンションを知ろう!」「ブレーキフィーリングの作りこみ」「マトリクスLEDヘッドランプ」と、タイトルを見るだけでワクワクしてしまう、開発者ならではの裏話が聞けるプレゼンテーションがずらりと並びます。
YZF-R25のライブプレゼンテーションでは、昨今人気が高まっているというサードカラーについての話題や、MAXシリーズのプレゼンテーションではモデル誕生に至るまでの裏話が。そして話題のスーパースポーツYZF-R9のプレゼンテーションでは、高いスポーツ性能と親しみやすさを両立させた開発秘話が展開されました。


ヤマハの先進技術「Y-AMT(YAMAHA AUTOMATED MANUAL TRANSMISSION)」のライブプレゼンテーションのブースには、「Y-AMT」の機構体験コーナーがありました。実際にスロットルを開けると自動的にシフトチェンジされる動きが体感でき、同時に目の前のギアが動く模様が見られるのです。さらに、ヤマハのサウンドデバイス「αlive AD(アコースティックデザイン)」によってエンジンのサウンドも奏でられ、まるで実車を操作しているかのような臨場感まで味わえました。

「Y-AMT」の開発者ライブプレゼンテーションの後には、サーキットコースにて「Y-AMT」搭載モデル「MT-09 Y-AMT」でのデモ走行も実施。実際に走っている模様を見ながら、操作方法や「Y-AMT」の特徴が開発陣から解説されました。特にこだわったという操作時の反応速度と変速スピードについては熱のこもった説明がされ、「『Y-AMT』はスポーツライディングにも有効で、マシンを操る感覚やダイレクト感はそのままに、操作は直感的かつ指先一本で簡単にできるのです」という開発スタッフの話に、来場者は大きな関心を寄せていました。

レーシングコースで実施された「ドライバビリティ開発」とは、ライダーとエンジニアが実際の走行状況からエンジンや車両の動きからデータを取り、変更・分析するプロジェクトの一環で、このデモ走行では実際の開発で行う確認項目をテストライダーが実演し、開発スタッフがその内容を解説してくれました。
低速走行で円を描きながら、スロットルの開け閉めを行い車両の反応を確認、加速・減速する際の挙動の確認や、その確認を怠った際に生じる現象の確認、機械制御から電子制御に変わった際の動作確認が行われ、最後に、ABS(Anti-lock Brake System / アンチロック・ブレーキシステム)やY-AMTなどの電子制御機能について詳しく解説されました。ライディング時の快適性や安全性を高めるためのチェックがこのように行われていることを知った来場者は、製品に対する信頼性と自身の愛車への理解がひとつ深まったようでした。


ヤマハが手がけてきた歴代のEVモデル展示コーナーでは、その進化を目で見て、触れて感じることができました。また「あなたの欲しいEVは?」という日常使いやツーリングにおいての理想(航続距離・価格・最高速度)を来場者に尋ねるアンケートパネルも用意され、ブースを訪れた人たちは思い思いに理想のEV像をボードに記していました。

ヤマハの歴代の名車が勢揃いした「ヒストリックモデル」では、ヤマハの博物館「ヤマハ発動機コミュニケーションプラザ」に展示されている貴重な車両が並びました。ベテランのライダーにとっては懐かしく、そして若いライダーには新鮮な印象を受けるバイクの数々がずらり。ここにいるだけで時間の流れを忘れてしまいそうでした。

「ヒストリックバイク」に並んでいたバイクがサーキットを走る「ヒストリカルモデルラン」が実施。博物館で見る名車が実際に走る姿を見られるとあって、観客席には大勢の来場者が集まりました。サーキットに響き渡るサウンド、この時代のバイクから薫る排気ガスの匂いが、タイムスリップしたかのような気分を味わわせてくれました。


数々のブースのなかでも、特に来場者の滞留時間が長かったのが「歴代主要モデルのカタログ展」です。その名のとおり、ヤマハの歴代バイクのカタログがずらりと並び、来場者が今の愛車、そして憧れのモデルのカタログを手に取り、真剣な眼差しでページをめくる姿が印象的でした。

メインステージでは、「2025MFJ全日本ロードレース選手権」(以下、全日本ロードレース)の国内最高峰クラス「JSB1000」で13回目のチャンピオンを獲得した中須賀 克行選手によるトークショーが開催されました。直前には二輪ロードレースの世界最高峰「MotoGP」に参戦する「YZR-M1」でのデモ走行が披露され、会場は大いに盛り上がりました。
「今年は『YAMAHA FACTORY RACING TEAMとしてチャンピオンを獲りにいかなければ』というプレッシャーのかかるシーズンでしたが、第2戦が行われたスポーツランドSUGOで優勝でき、そのまま波に乗って第6戦の岡山国際サーキットではチャンピオンを獲ることができました。
6年ぶりにYAMAHA FACTORY RACING TEAMとして参戦した鈴鹿8時間耐久ロードレースでも優勝を狙っていましたが、2位という結果に終わりました。個人的には悔しかったですが、ヤマハの看板を背負って皆さんの前で走ることができたことは良かったと思います。
本日はこうやって多くの人たちにお集まりいただき、ありがとうございます。会場にはいろいろなブースがありますので、たくさん見ていただき、ヤマハを感じていただけば嬉しいです。今後も、いいレースをしてみなさんに楽しんでもらえるような走りをしますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

ステージ横の特設スペースでは、「MFJ全日本トライアル選手権シリーズ」で活躍中のトライアルライダーの黒山 健一選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と野崎 史高選手(Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA)による「トライアルデモンストレーション」が披露されました。軽快なトークを交えながら、次々と繰り出されるアクロバティックな技の数々に、何度も大きな歓声が上がっていました。

イベントグッズの物販コーナーも大盛況。今年のイベント限定Tシャツをはじめ、ステッカーやキーホルダー、オリジナルバッグなどの多彩なアイテムが並び、来場者は買い物を楽しみながら思い出の品を手にしていました。

イベントのフィナーレを飾るのは、ヤマハバイクオーナーによる「パレードラン」です。事前の抽選によって選ばれた100名のライダーが、「スポーツランドSUGO」のインターナショナルレーシングコースを愛車で周回できるというもので、見事パレードランに参加できたライダーはコース内で記念撮影を楽しんだあと、ヤマハバイクオーナーとしての誇りを胸にコース周回を存分に楽しんだようです。

SUGOへ駆けつけたヤマハファンに聞いた!

「ヤマハのウェブサイトでこのイベントのことを知り、ヤマハのバイクがたくさん集まるというところに魅力を感じて参加しました。イベントでは、新型モデルがたくさん見られて楽しかったです。特に気になっていた『YZF-R9』の実車に跨がれて良かったです。
今は姉から譲ってもらったMT-07に乗っているのですが、スーパースポーツモデルが好きなので、次はYZF-R9かYZF-R1に乗りたいですね」

「以前、友人がこのイベントに参加していた模様をSNSで見て、興味を持ちました。今回は『パレードランの抽選に当たったら行こうかな』ぐらいの気持ちで応募したところ、見事に当選しまして、やってきました。
イベントで楽しかったのは、中須賀 克行選手のトークショーですね。YZF-R1のほかに「YZF-R3」も所有していて、そちらにもよく乗っているのですが、帰宅したときの達成感はYZF-R1の方が強いですね」
主催者に聞いたイベントの手応え

白玖 柾貴氏
全国各地からヤマハバイクオーナーが多く訪れ、毎年盛大に盛り上がる。多くのヤマハファンに愛されているイベント「My Yamaha Motorcycle Day」の趣旨や狙い、また参加者に楽しんで欲しいことなど、本イベントの運営担当を務める白玖(はく)氏に話を伺いました。
「このイベントは、すべてのヤマハファン、すべてのヤマハバイクのオーナーが集まれる場所の共有を目的としています。また、広くはヤマハバイクのオーナーに限らず、バイクが好きな方にお越しいただき、一緒に楽しむことができたらという想いもあります。
今年はヤマハ発動機が創業70周年、またスポーツランドSUGOが創業50周年を迎えたアニバーサリーイヤーであることから、ここを会場に選びました。来場くださった皆様には、まずはヤマハの新型モデルを見て、触れていただきたいです。もちろん、ただバイクを展示するだけのイベントではなく、ヤマハのバイクを開発しているスタッフと話ができたり、コアな部分を見れたりすることも魅力なので、楽しんでいただける要素だと考えています。
『My Yamaha Motorcycle Day』は、参加することでもっとヤマハが好きになる、そんなイベントとなっています。ぜひ次回の開催も期待していただきたいと思います」
ヤマハ愛満載のファンミーティング


開催されるたびにスケールアップするヤマハのファンミーティング「My Yamaha Motorcycle Day」。ヤマハのバイクオーナーだけでなく、ライダーなら誰もが楽しめる充実のコンテンツから、バイクやライダーにかけるヤマハの愛が伝わってくるようでした。はるばるスポーツランドSUGOまで駆けつけた来場者にとっては大変満足度の高いイベントだったことでしょう。70周年をひとつの節目として、ヤマハのさらなる飛躍が期待できるひとときでした。
二輪車の楽しさや利便性、安全性に関する情報を発信
モトメガネでは、オートバイに関する情報や、ライディングに関する豆知識、レース情報などを紹介しています。この記事では「MOTOINFO」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。ジャンル&排気量を問わず、さまざまなバイク情報を取り上げています。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
