戸隠・白馬・大町を走る秋ツーリング 中部北陸エリア絶景ルート紹介

イチオシスト

猛暑の夏が終わって、季節は秋を迎えました。2025年のツーリングシーズンの最後の締めに、秋を楽しむロングツーリングに出かけてみませんか。
そこで「秋を感じる」ツーリングにおすすめのコースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。
今回は中部北陸の「2025秋のおすすめルート」1泊2日編です。
※紹介したルートについて、場所によっては冬期閉鎖の場合もあります。また、積雪や凍結の恐れもありますので、天気や交通の情報は事前に最新情報をご確認ください。
著・内田 一成
Route!掲載日:2025年11月15日
北信の山々を巡る秋満喫コース

今年は、あまりにも夏が暑すぎ、そして長すぎて、いったいいつになったら秋になるのだろうかなどと心配したが、その心配を他所に、夏の陽気に誘われて出発したら、一気に晩秋のキンとした冷気に飲み込まれるツーリングとなった。
どうも年々、季節の変化が極端になってきて、季節の移ろいを繊細に感じる「花鳥風月」的趣が薄くなってしまったが、それでも、一気の冷え込みに中部山岳では紅葉が進み、目を楽しませてくれた。今回は、変化に富んだ山岳コースとともに、秋から冬へと向かう束の間の自然の荘厳さを楽しめるルートを紹介しよう。

コース概要
START:上信越自動車道「信濃町IC」
ツーリングマップル中部北陸 P.101(関東甲信越 P.)A-7
GOAL:上信越自動車道「上田菅平IC」
ツーリングマップル中部北陸 P.89(関東甲信越 P.)D-6
長野県の北部を横断しつつ、野尻湖と妙高山、戸隠山、そして北アルプス北端の白馬を結び、白馬から南下して、八ヶ岳へ抜ける。
このあたりの山岳は、緩やかな稜線を棚引かせる峰があり、鋸歯状のいかにも神話を連想させそうな岩峰があり、3000m級の峰を連ねる「日本の屋根」があり、そして、その山々の間に抱かれる宝石のような湖沼がある。紅葉の美しさの中にも、間近に迫る冬の厳しさを垣間見せる空気感は、ライダーの心身をキリッとさせてくれる。
山里の素朴な味覚や山岳リゾートならではの洒落たレストスポットなども魅力だ。

1.野尻湖(のじりこ)から戸隠(とがくし)、鬼無里(きなさ)へ。紅葉を抜けて
上信越自動車道「信濃町IC」を降りたら、一路「野尻湖」(ツーリングマップル中部北陸 P.101<関東甲信越 P.78>B-7)へ。今回はまだ紅葉本番には至らなかったが、本番を迎えれば、湖岸を彩る紅葉が湖面に映り、夏はマリンスポーツで賑わう湖もひっそりしていて幻想的な風景に浸ることができる。


今回は、野尻湖から「戸隠」を経て、「鬼無里」、「白馬」へのルートを辿ったが、妙高へ抜けて、県道39号線経由で「笹ヶ峰牧場」(ツーリングマップル中部北陸 P.100<関東甲信越 P.77>J-6)、林道「妙高小谷線」を抜けて白馬へ抜けるルートもいい。フラットダートなので、オンロードバイクでも問題なく通過できる。こちらは、標高もあり、里よりも一ヶ月早く紅葉が楽しめる。

近年の神社ブームで戸隠のとくに「奥社」は「パワースポット」などと呼ばれて平日でも観光客がごった返している。ここは本来、戸隠修験の奥山道場で、一般人には関係のないところ。そもそも「パワースポット」などという言葉の意味がさっぱりわからないが、原宿の通りのようにごった返した参道は、静謐さの欠片もなく興ざめするばかり。
そこは素通りして、「鏡池」(ツーリングマップル中部北陸 P.93<関東甲信越 P.68>I-3)のほとりで鋸歯状の懸崖を連ねる戸隠山を眺める。その荒々しい岩峰は「蟻の戸渡り」と呼ばれるように両側が切れ落ちたヤセ尾根で、ここで修験者が命懸けの修行を行ってきた。戸隠からは鬼無里へ抜ける。

2.山里からダイナミックな風景が展開する白馬へ
鬼無里では、信州の素朴な郷土料理である「おやき」の老舗「いろは堂」(ツーリングマップル中部北陸 P.93<関東甲信越 P.68>G-5)でしばし、和む。そこからはワインディングを楽しみながら白馬へ抜ける。

長野市側から、峠を越えて白馬に入るルートはいくつかあるが、どのルートを通っても、最後の峠を抜けて、眼前に北アルプスの峰々が飛び込んでくる光景は壮観だ。今では日本屈指の山岳リゾートとなり、スキーシーズンは、ほとんど日本人の姿を見かけないほど賑わう白馬だが、この光景は日本的な山里風景とはまったく異なり、その雄大さが世界中のスキーヤーやスノーボーダーを引きつけるのも頷ける。




白馬では、個人的に定宿にさせてもらっている「ペンションミーティア」(ツーリングマップル中部北陸 P.93<関東甲信越 P.68>C-5)に宿泊するが、今回は、その敷地内にあるコテージ「ブラウニー」に泊まった。ペンションもコテージも冬はスキー客で常に満員となり、毎年恒例のBMWのユーザーミーティングでもまっさきに予約で埋まる人気宿。狭間の季節は狙い目だ。
3.山岳と湖の風景を楽しみ、締めはあのカフェで
白馬からは、国道148号を南下するのが一般的なコースだが、旧美麻村、旧八坂村へと姫川を挟んで北アルプスと対峙する通称「東山」の稜線沿いに進む。


途中、これも馴染みのカフェラビットで休憩して、今回は、業界の先輩である三好レイコ姉御の「ペレファカフェ」(ツーリングマップル中部北陸 P.80<関東甲信越 P.52>G-2)で看板メニューの「ダカールカレー」をいただいた。
ダートで遊んで泥だらけになったR12G/Sを見た姉御が
「こんなにどろんこにして、いったいどーこ走ってきたの」
と呆れていたのは御愛嬌。ペレファカフェを後にしたら、そのまま上田に出て、帰路につく。時間に余裕があれば、途中の別所温泉に浸かってゆっくりしてもいい。


4.宿泊情報
最後に宿泊情報です。北信の絶景を巡る旅、一泊してゆっくりのんびり秋の風景を味わってみてはいかがでしょうか。
【ペンション「ミーティア」(貸しコテージ「ブラウニー」)】
個人的に毎年お世話になっている白馬のペンション「ミーティア」。今回は貸しコテージの「ブラウニー」に宿泊した
ツーリングマップル
中部北陸 P.93(関東甲信越 P.68)C-5

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この記事では「ツーリングマップル」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。今後もさまざまなバイク情報を取り上げていきます。


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