結婚、父の死… 「目まぐるしい年」に葭葉ルミが5季ぶりシード復帰「来年は控えめに2勝します」
イチオシスト
<大王製紙エリエールレディス 最終日◇23日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6595ヤード・パー71>
葭葉ルミが悲喜こもごもだった1年を笑顔で締めくくった。33位から出た最終日を3バーディ・1ボギーの「69」で回り、トータル8アンダー。シード争い最終戦を7位で終えてメルセデス・ランキング(MR)44位が確定し、5季ぶりのシード復活が決まった。
「素直にうれしいです。ここ2、3年は体力的にしんどかったけど、今年は1年を通して良かった。優勝は狙っていたけど、上出来です。楽しい一週間でした」
コロナ禍で統合された2020-21年シーズンにMR66位に終わり、6季連続で守ってきたシードを失った。22年以降もMRは60位→63位→74位と低迷。復活の要因については「もう10年以上やっているので、こういう場に慣れてきた」とはぐらかしたが、自分に課したより厳しい練習に加えて、大きく変わった環境も32歳の心に変化をもたらした。
8月に結婚した。お相手は同じ東京・墨田区で生まれ育った中学校時代の同級生だった。「昔からすっごく仲が良くて、今も友達みたいな関係。結婚を前提に2年くらい前から付き合いはじめて、今年1月にプロポーズされました。登録名は葭葉のままだけど、名前は大谷になりました」。3月の開幕戦は15位とまずまずのスタートを切り、2戦目は10位。5月の国内メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」で3位に入るなど、シーズンをスムーズに滑り出すことができた。
「前半戦のうちにポイントを稼げたのは大きかったし、後半戦につなげることができた」。猛暑の疲れが出てくる8月以降も確実に予選を通過してポイントを上積みし、今週も初日は「72」の1オーバーで57位と出遅れたが、2日目以降は60台のラウンドで今季4度目のトップ10入りとなった。
結婚した直後の9月末には父・昌利さんが亡くなった。まだ57歳の若さだった。「2年くらい闘病していて…。仙台での明治安田レディスの週でした。6月までは自分の足で歩いて試合にも見に来てくれていたけど、夏くらいから調子が悪くなっちゃって。急にでしたね。でも、いい報告ができる。今年は本当に目まぐるしかった。いろいろあって、長い1年だったなぁ」。帽子の後ろに喪章をつけて臨んだシーズン後半。天国の父も喜んでくれるはずだ。
シードを復活させ、来季は16年「ニッポンハムレディス」以来となるツアー2勝目を目指す。来年3月に33歳になるが、まだ老け込む年齢ではない。ゴルフ人生はこれからが本番。「そうですね。そこしかないですね。控えめに2勝くらいします」。ベテランは豪快に笑った。(文・臼杵孝志)
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