最終戦争いも佳境! 山城奈々は“話題の丸グリップ”で初の宮崎行きへ「やったことないものは試してみたい」
イチオシスト
<大王製紙エリエールレディス 3日目◇22日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6595ヤード・パー71>
年間女王争いは今大会の2日目終了時点で佐久間朱莉に決まった。来季の出場権をかけたシード権争いも最終局面を迎えているが、今季優勝者やメルセデス・ランキング(MR)上位ら40名しか出場できない最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」をめぐる戦いも行われている。
優勝者や世界ランキング50位以内のエントリー状況から、現時点のMRのボーダーラインとされるのは30位の山城奈々。山城は26位タイで予選を通過し、この日は最終18番パー4で、「上って最後下りのスライス。15歩あった」というロングパットをねじ込んでバーディフィニッシュ。首位と6打差のトータル5アンダー・12位タイに浮上。現状の仮想ランキングでは1つ上がっている。
プロ12年目で自身初のシード権獲得を確定させており、最終戦の切符も目前に迫っている。「最後のバーディパットはあしたにつながると思う。(穴井)詩さんに、『おのれが頑張れ』といわれたので、自分が頑張るしかないです。自分のベストを尽くすだけ。そしたら結果はちゃんとついてくるはず」。今大会で上位に入って最終戦の切符をつかむ構えだ。
劇的なロングパットを沈めた山城の手に握られていたパターをよく見ると、ドライバーやアイアンなどで使用する丸型グリップだった。一般的にパターは面がしっかりしたグリップが多い。最近、男子ツアーでは石川遼ら数人のプロが使用やテストをするなどプチ流行し、女子では永峰咲希が採用している。「永峰(咲希)さんがパターに丸グリップをさしているという記事を見ました。自分がやったことがなくて、いいなと思って試してみました」。
直近2試合は「硬めの打感が好き」とベティナルディのゼロトルクパターを使用していたが、今週スコッティキャメロンの『ファントム5S』に、男女プロに使用者の多いパルマックスの『ツアーウェーブグリップ』を装着した1本を作ってもらった。ショット時はインターロッキングで握るが、逆オーバーラッピングで握っている。
「パッティングやパターに不満や悩みがあったわけではないのですが、どうしたらもっと入るかなと。もうちょっとチャンスの時に決めきれたらいいなと思っています」とスコアを縮めるだめに貪欲な姿勢が投入のきっかけだ。「構えやすさとかはあると思いますが、まだ分からないのが正直なところ。でも最後のロングパットが入ってくれたし、いいと思います」と3日間バッグから外れず今週のエースとして役割を担っている。
“ビビッ”と来たら試したくなるのはクラブだけではない。1カ月ほど前にSNSを見ていたら男子プロがピンの近いグリーンサイドから打つアプローチの動画が流れてきた。「あまりランを出したくないときに、インパクトしてヘッドを引いているように見えました。引くとボールの勢いを殺せるのかなと思いました」。
この日、7番パー4の2打目をグリーン右サイドに外した。ボールからピンまで15歩。左足下がりの傾斜でグリーンは砲台でグリーン面は下り傾斜。ボールの勢いを殺して寄せたい場面で「インパクトで引くイメージ」でソフトロブを打つと、10ヤードほどキャリーをして「強い!」と思ったがボールの勢いはなく、スルスルとカップに吸い込まれた。
「(インパクト後に)引くのは練習していないんですけど、何かの試合で成功して、またやってみました。うまくボールの勢いは殺せました」とニンマリ。いいと思ったものを試したアプローチは“実践投入”して、うまくいった。直感で試しているパターの丸グリップも、宮崎行きの大きな助けになるだろう。(文・小高拓)
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