釣りの「めっちゃ痛い!」思い出 深夜に消波ブロックへ落下して奇跡の生還

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釣行後に消波ブロックにはまる もう5年くらい前だろうか、大阪泉南の消波ブロック帯にてアジングをしていた。そのとき魚が釣れたかどうか、私には今となっては思い出すことができない。というのも、その帰り道、ま …
イチオシスト
釣りをしていると、時に魚釣りそのものとは関係ない思い出ができるものだ。それは多くの場合、自然相手のアウトドアだけに、「災難」とかかわることが多い。要するに釣りをしていると何かとケガをしやすいのだ。今回はそんな「苦い釣りメモリー」について、筆者の経験からひとつお話ししたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)


釣行後に消波ブロックにはまる
もう5年くらい前だろうか、大阪泉南の消波ブロック帯にてアジングをしていた。そのとき魚が釣れたかどうか、私には今となっては思い出すことができない。というのも、その帰り道、まさに突然、私は消波ブロックの中に落ちてしまったからだ。
しかも、真っ逆さまに、である。消波ブロックの穴の中に胴体を詰まらせて、完全な逆さ吊り状態となってしまった。一時的に、まったく何が起きたのかわからない状態である。しかし、消波ブロックの隙間にこだまする波音が、「どうやら死んだわけではないらしい」と知らせてくれる。
消波ブロックは地獄の入り口(提供:TSURINEWSライター・井上海生)
だが、そこからどうしようもない。まったく身動きが取れない。これが、周りに人がいる状態ならば「助けて!」とでも叫べばよかっただろう。しかしそこは私以外は完全に無人だった。よって、独力でこの状態から脱するしかない。時刻は深夜、さあ、どうなる。
全身アザだらけに
――といっても、私はそのあと自分がどのような行動をとって穴から脱したのか、ほとんど覚えていない。何せ命がけだったので、具体的にどう体を動かして脱出したのか、そんな詳しいことは定かではない。
だが、おそらく腕くらいは動かせる状態だったのだろう。そこからなんとか周りのブロックへ手を這わせるようにして、のそのそと穴から脱していったのだと思う。
そしてこうして元気に今も釣りに行っている私がいるのだから、まあいい。ちなみに私はその後年釣りの帰りに交通事故に遭い死の寸前までいったが、それさえ乗り越えて釣りをしている。
だからやっぱりなんとかなった、なんとかなっている、それくらいで釣り人は折れないということなのだが、しかしそのときのダメージといったらなかなかのものだった。
今は一応元気です(提供:TSURINEWSライター・井上海生)
ワームは全滅
まず、不運にして肩掛けのスリングのファスナーが開いてしまっていたらしく、ワームケースの中をすべて穴の中にぶちまけてしまった。つまり、ワームは全滅。そのときはちくしょうと思ったものだが、今思えばその他の釣り具に損傷はなかったわけで、案外釣り具関連は軽傷といえたのかもしれない。
だが、当然私自身はあっちこっちにケガをした。家に帰って鏡を見ると、もう、全身が擦り傷とアザだらけである。まるで野生の動物と戦ってきたようだった。見事な敗者、その典型のような像である。
今も消えない痛みが残る
このさいに負った傷は、まだ微妙にあとを残している。左足を思い切り捩ってしまい、足首にナイキのロゴのような大アザができたのだが、そのときの痛みがまだ時折、歩きすぎたときなどに蘇るのだ。
当時のケガ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣り人はケガから学ぶ
だが、私は結果的に死ぬことはなかった交通事故も含め、その他もろもろ釣りで嫌な目にも遭ってきたが、そのたびに「学び」だと思う。もう二度と同じ失敗はすまいと思うし、そういう心がけは、実際に釣り場で活きている。
現に私は、よほどのことがなければ、もう消波ブロックには乗らないことにしている。あの穴の中で逆さ吊りになることには、根源的な恐怖感がある。こればかりは経験してみなければわからないことで、みなさんに共感を促せるものでもないと思うが。
しかし、「よい木こりはひとつだけ大きな傷を持っている」という言葉があるように、ケガをすることで人間的にちょっと向上するというか、注意深い者になることは確かだ。もちろん、かといって積極的に危険を冒せというのではない。みなさんはケガをせずに安全に釣りを楽しんでもらいたいところだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>
記事提供元:TSURINEWS
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