人生初の英語スピーチから一夜「笑ってくれ~って感じでした」 山下美夢有のルーキーイヤーも最終戦
イチオシスト
<CMEグループ・ツアー選手権 事前情報◇18日◇ティブロンGC(フロリダ州)◇6734ヤード・パー72>
人生初の英語スピーチからわずか12時間後。山下美夢有の姿はコースにあった。全体トップの朝7時から18ホールのプロアマをラウンド。カート使用が許されながらもフェアウェイは自らの足で歩き、いつもと変わらない表情、ルーティンでコースチェックをこなした。
前夜のことを思い返すと、頬は緩む。米年間表彰式の『ロレックスLPGAアワード』に出席し、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)受賞、「AIG女子オープン」(全英)でのツアー初優勝を表彰された。名誉ある賞を手にした実感は“グリーンカーペット”を歩いたときにふつふつと湧いてきた。
「その場に立てて表彰されたことを、心から本当に、とても光栄だと思いました。歴代のすごい方がたくさんいて、(アニカ・)ソレンスタムさんもいて、雰囲気が違うなとも感じた。また来年も頑張ろう、この舞台に立ちたいという気持ちになりました」
拍手喝采を浴びたスピーチについては、まだ恥ずかしそう。「“ビフォアミー”でつまずくって…。むしろ笑ってくれ~っていう感じでした(笑)。とりあえず緊張しかなかった。いざ、あそこに立ったらもう(頭)真っ白。でも思ったよりも少し話せたのかな」。空いている時間を暗記に充てて、帯同するマネージャーを相手に繰り返し練習をしたという。コース外でも“練習の虫”であることに変わりはないようだ。
こんな華々しいルーキーイヤーも、残すはあと1試合になった。昨年12月のQシリーズ(米最終予選会)をトップ通過して歩み始めた2025年。「こっちに来る決断をして、強い気持ちで初戦から挑んだ。メジャー大会で勝ちたい、1勝したいという思いはあって、結果、勝ててよかった。また違うレベルアップができるようにしていきたい」。
最終戦の優勝賞金は400万ドル(約6億2200万円)。これは山下が1年で稼いだ348万1138ドルを上回る額にもなる。たくさんのスポットライトを浴びた1年。最後にもうひとつ、ふたつ…と、栄えあるタイトルを獲得する可能性を残している。(文・笠井あかり)
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