東海道・山陽・九州新幹線「EX予約サービス」は今後どうなる? EX-ICカードのサービス終了から新サービス「LINEからEX」まで解説
イチオシスト

新幹線で出張する機会が多い人にはおなじみの、エクスプレス予約。乗車の際はEX予約専用ICカード「EX-ICカード」か「プラスEXカード」を改札機にタッチすることで入場できますが、これらのカードによる乗車サービスが終了します。
その一方で、JR東海・JR西日本・JR九州が10月4日から、新しい新幹線予約サービス「LINEからEX」がスタートします。また、上記3社とJR東日本の4社でネット予約サービスを連携する取り組みも。新幹線予約方法のこれからをまとめました。
「EX-ICカード」とは?

「EX-ICカード」とは、新幹線乗車専用ICカードのこと。JR東海による会員制のネット予約サービス「エクスプレス予約」に新規入会すると配布されます。(年会費税込み1,100円が必要)。EX-ICカードがあれば、東海道・山陽・九州新幹線の指定席を予約した後、改札機にタッチをすればチケットレスで新幹線に乗車できます。
ただし、2021年3月からはEX-ICカードがなくても、モバイルSuica・モバイルICOCA・モバイルPASMOを含む交通系ICカードを登録すれば、新幹線と在来線の両方をチケットレスで乗車できるようになっています。
新規発行は2026年夏で終了、2027年夏にはサービス終了へ
こうした背景から、2027年夏頃を目途に、EX-ICカードによる乗車サービスを終了。チケットレス乗車サービスを交通系ICカードに一本化します。
そのため、2026年夏頃を目途に、EX-ICカードの新規発行と再発行の受付が終了に。一部の会員様に発行されている、TOICA機能付きのEX-ICカードも新規発行と再発行受付を終了。TOICA履歴サービスも終了します。
これまでEX-ICカードで新幹線チケットレス乗車を利用していた人は、乗車サービス終了までに交通系ICカードを登録する必要があります。
「EXご利用票(座席案内)」も2026年夏ごろ終了へ
チケットレス乗車の際、新幹線の自動改札機から発行されている「EXご利用票」の発行も、2026年夏頃を目途に終了します。今後は「EXアプリ」から、予約座席を確認できるサービスが提供される予定とのことです。
新幹線予約サービス「LINEからEX」が2025年10月4日スタート

JR東海・JR西日本・JR九州が10月4日から、新幹線予約サービス「LINEからEX」のサービスを開始。LINEから東海道・山陽・九州新幹線の予約が可能となり「PayPay」で支払いができるようになります。

予約方法は簡単。LINEを開いてLINE公式アカウント「東海道・山陽・九州新幹線予約」を友達に追加し、LINEアカウント情報の連携・規約等に同意(初回利用時のみ)。クレジットカード情報などを登録する手間もなく、すぐに新幹線を予約できます。サービススタート時点での決済方法は「PayPay」のみとのこと。
乗車時には、登録済みの交通系ICカード、もしくは予約後に発行できるQRコードにより、チケットレスで乗車できます。
普段、LINEやPayPayを使用していない人は、アプリのダウンロードやアカウントの登録が必要となりますが、LINEヤフーによると、LINEの利用者は月間約9,900万人(2025年6月末時点)、PayPayの登録ユーザーは約7,000万人(2025年7月時点)ですから、大半のスマートフォンユーザーにとっては慣れ親しんだアプリと言えそうです。
「LINEからEX」「スマートEX」「エクスプレス予約」違いは?

「結局のところ、新幹線予約は何を利用するのがベストなの?」という声が聞こえてきそうですが、その答えは用途により異なります。
新幹線の利用頻度が高い人は「エクスプレス予約」がおトク
「エクスプレス予約」は年会費が必要なものの、乗車日1年前から24時間予約が可能で、いつでも会員価格で乗車できます。「EX早特21」など早めの予約でさらにおトクに利用できる商品もあります。予約変更手数料が回数制限なく無料なため、予定変更に応じやすいこともポイントです。
年会費無料で気軽に使える「スマートEX」
簡単な登録でより気軽に利用できるのが「スマートEX」。年会費がかからず、早得商品が利用できる点や24時間予約が可能なこと、予約変更手数料がかからないところも「エクスプレス予約」と同様です。ただし、きっぷの価格は「エクスプレス予約」よりやや高く、駅窓口での発売額と大差のない金額となります。
PayPayユーザーにおすすめの「LINEからEX」
「LINEからEX」は年会費無料、会員登録なしでLINEアプリから気軽に予約できる点が最大の強み。他の予約と同様にチケットレス乗車ができますが、現時点では決済手段がPayPayしかないこと、深夜から早朝には予約ができないこと、予約変更の際は一旦払い戻して再度購入する必要があることに注意が必要です。また、座席指定は窓側・通路側の選択ができますが、「エクスプレス予約」「スマートEX」のようにシートマップを見ながら選ぶことはできません。きっぷの価格は「スマートEX」よりやや高くなります。
2026年度には「EXサービス」「e5489」連携サービスを開始

JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の4社は、各社のインターネット予約サービスを順次連携させる取り組みを進めています。先行してJR東海・JR西日本・JR九州の「EXサービス(エクスプレス予約・スマートEX)」とJR西日本の「e5489」間で相互にログイン認証ができるサービスを、2025年10月4日から開始。2026年度中のサービス開始を予定しています。なお、その他のサービス間の連携は、2027年度以降となる見込みです。実現されれば、新幹線のネット予約がよりスムーズに、手間なくできるようになりそうです。
【参考】JR4社のネット予約が連携へ!エリアをまたいだ新幹線乗り継ぎもシームレスに予約可能、旅行や出張がさらに便利に
https://tetsudo-ch.com/13011727.html
東海道・山陽・九州新幹線にも、交通系ICカードやスマートフォンに表示したQRコードをかざすだけで、チケットレス乗車ができる時代に。少しでも便利でおトクな乗車方法を選べるように、今後の動向にも注目していきましょう。
(トップ画像:Pixta/その他注釈のない画像:JR東海)
鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
記事提供元:鉄道チャンネル
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