佐久間朱莉が史上初となる快挙へ独走体勢 “女王確率100%”の2億円も超えも目前
イチオシスト
<NOBUTA GROUP マスターズGC レディース 3日目◇25日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6562ヤード・パー72>
53ホール目で初めてスコアを後退させる、今大会自身初のボギーに佐久間朱莉は苦笑いを浮かべた。17番パー3。5番アイアンでのティショットはグリーン右手前のバンカーにつかまった。2打目をピン手前5メートルにしか寄せられず、パーセーブに失敗。快進撃のトップ独走で通算4勝目に王手をかけた充実感は、1つのボギーで半減してしまった。
「すっごい悔しいです。いまから5番アイアンを練習してきます」
1番パー5で残り79ヤードの3打目がもう少しでカップに入りかけた。2日目のイーグル発進を再現するような“お先バーディ”で滑り出し、1.5メートルを沈めた5番パー4からは5連続バーディ。昨年の「スタンレーレディスホンダ」初日など7度あった4連続を更新する自己最多の連続バーディで一気に独走態勢を築いた。ハーフターンした時点で2位との差は9打。歴史に残る“記録ずくめV”の雰囲気を漂わせるなか、まさかと言ってもいいボギーを佐久間も悔やんだ。
「今週、ボギーがないことは知っていました。いつか来るとは思っていたけど…。でも、18番はしっかりパーセーブできたし、1個で抑えたのはよかったです」
4日間大会をボギーなしで完走したのは、2022年「楽天スーパーレディース」を制した勝みなみと、昨年「大東建託・いい部屋ネットレディス」で2位だった山下美夢有の2人だけ。史上3人目の偉業は逃したが、まだまだ記録には挑戦できる。
1988年のツアー制度施行前も含め、最多差ストロークVは1996 年「伊藤園レディス」のローラー・デービーズの15打差。日本人選手では1973年「東海クラシック」の樋口久子、98年「伊藤園レディス」の服部道子、2004年「日本女子オープン」の不動裕理のいずれも11打差。8打のリードを持って臨む最終日に新記録の期待は膨らむ。
さらに初日からの首位を守り切れば、同じく4日間大会だった5月に「ブリヂストンレディス」に次いで自身2度目の完全Vとなる。4日間大会で複数回の完全Vは森口祐子、宮里美香、申ジエ、山下美夢有の4人がいるが、同一年はなく、佐久間が国内女子ツアー史上初の快挙となる。
「2位とは何打差だろうが、本当にいまは自分の1打に集中するだけ。毎日4つ伸ばすことが今週の目標だから、そこに向かって最終日も伸ばしていきたいです」
この日と同じ「64」をマークすれば、昨年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で川﨑春花がつくった72ホールの最多アンダーパーの28アンダーにも並ぶ。初の年間女王に大きく前進する今季4勝目まで、あと18ホール。優勝賞金3600万円を獲得すれば、年間獲得賞金は過去にイ・ボミ(韓国)、山下美夢有、竹田麗央の3人しかいない2億円にも王手をかける(試合数の多かった20-21年統合シーズンは除く)。これまでの3人はいずれも、そのシーズンの年間女王にも輝いた。
女王確率100%ともなる2億円。「それは全然知りませんでした。今週の優勝賞金はいくらなんですか? 3600万円!? わお!」。 4月の初Vからの大躍進。後続に影すら踏ませず、このままゴールに飛び込む。(文・臼杵孝志)
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