【ピエール瀧の「萌え萌やしソバ探訪録」】11杯目「偶然見つけた店で、もやしと玉袋筋太郎のすごさを実感!」
イチオシスト

御茶ノ水で連載向きの店を偶然発見!
「もやしソバ」をこよなく愛するピエール瀧が、名店をめぐりながら、もやしソバとは何なのかを考えたり考えなかったりするこの連載。
人生には思いもよらぬ出来事があるものです。瀧さんが偶然目にした看板には、この連載のために作ったかのような文字が躍っていました。いや、これすごいことですよ。
***
それは、ある日の出来事。ピエール瀧さんが仕事帰りにタクシーに乗っていると東京・御茶ノ水で、ある中華料理店の看板が目に入ったという......。
ピエール瀧(以下、瀧) ん? あれはなんだ!? ほほう、これは行ってみるしかねぇ!
――あ、瀧さんからメッセージが来てる。「御茶ノ水で〝ワンタンもやしそば〟って看板に書いてある店を発見!」か。え? ワンタンもやしそば!?
(数日後)
――ということで、今回は御茶ノ水に来ています。
瀧 いやー、こんな連載向きの店ある? ワンタンもやしそばは考えたこともなかったよ。
――普通は「ワンタンメン」と「もやしソバ」が別メニューですもんね。あ、ここです。「萬龍」さん。
瀧 ほら、見てよ。入り口にあるお品書き。ワンタンもやしそば(980円)が最初に書いてあって、しかも赤文字だよ。当店イチ押しってことだよね。で、逆に普通のラーメンがない。

「ワンタンもやしそば」が、お品書きの最初にある!
――ワンタンもやしそばのほかには「もやしあんかけカタ焼きそば」(1000円)、「もやしそば」(880円)です。これ、この連載のためにこっそり作ったとか?
瀧 なんでだよ。わざわざそんなことしないでしょ。お酒のメニューも豊富だね。酎ハイ、サワー、ビール、ハイボール、焼酎......。
――あ、焼酎は僕の好きな「キンミヤ」だ。ホッピーもあります。
瀧 この店は中華料理をつまみながら、晩酌ができる感じなのかもね。おつまみにちょうど良さそうなメニューがけっこう並んでるもんね。じゃあ入ってみよう。おじゃましまーす!
店長の熊谷諭さん(以下、熊谷さん) お待ちしておりました。
――お世話になります。
瀧 ピエール瀧です。よろしくお願いします!
熊谷さん お料理は何を召し上がりますか?
瀧 ここは、やはりワンタンもやしそば一択でしょうね。ほかに何かオススメはありますか?
熊谷さん 肉玉チャーハン(1150円)も人気があります。
瀧 じゃあ、ワンタンもやしそばと肉玉チャーハンをお願いします。
熊谷さん かしこまりました。
瀧 このお店はいつから始められたんですか?
熊谷さん 「萬龍」は2020年にオープンしたお店で、個人店ではなく企業経営なんです。ですから、ここのほかに「東京ドームシティ」にも店舗があります。開店当時は町中華が注目され始めていて、ガッツリした量を比較的お召し上がりやすい価格でご提供させていただければということで、おそばのメニューを考えました。ワンタンも手作りでやっています。
瀧 なるほど! キャベツとかだと天候によって値段が高騰したりして大変ですもんね。ワンタンをつまみに飲む人もいるんですか?
熊谷さん はい。居酒屋さん的に利用されるお客さまもいらっしゃいます。
瀧 今、お話を伺っていて驚きのポイントがふたつありましたよ。ひとつは「玉袋筋太郎はすごい」ということ。『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS/毎週月曜22時〜)の影響で、飲み屋としての町中華が知れ渡ったことで、企業が飲める町中華の店をやってもいいんじゃないかという考えに至ったこと。だから、お酒のメニューがたくさんあった。杏露酒(540円)とかトマトハイ(500円)は、おそらく女性向けでしょ。
――最近の町中華は女性客も多いって聞きますもんね。
瀧 もうひとつが、もやしは安くて値段の変動が少ないから、お店の食材として安心して使えるということ。お店側に立って考えるともやしほど頼りになる食材はないわけだ。
――なるほど。もやし最強説!
熊谷さん お待たせしました。ワンタンもやしそばです。

「ワンタンもやしそば」(980円)
瀧 ありがとうございます! うわー、すげえいっぱいもやしが入ってる。それにニラ、ニンジン、タマネギ、ひき肉。この浮かんでる黒いのはなんですか?
熊谷さん 黒ねぎ油です。
瀧 すごいいい香りですね。それにワンタンとナルトね。麺は中太麺で、スープは醤油ベースでちょっと甘め。
熊谷さん 麺はワシワシ系で、スープは鶏ガラと豚骨を使ってます。
瀧 ワンタン、うまっ!
熊谷さん ワンタンもギョーザもあんから店内で作っていますから、自信はあります。
瀧 そして、けっこうなボリュームがある。これで980円はリーズナブルかも。

「ワンタンもギョーザも、店内で手作りしてるからうまい!」と瀧
――肉玉チャーハンも来ました。

食事でも、おつまみでもいける「肉玉チャーハン」(1150円)
瀧 うわっ、こっちも見かけからしてボリュームがすごい。ヤンチャだわ。たっぷりのチャーハンの上にふわふわの卵焼きがのってて、その上に甘いタレを絡めた豚肉。チャーハンもパラパラっと仕上がっていておいしい。
――横に大きめのシューマイが2個添えてありますよ。
瀧 ボリュームもそうだけど、いろいろのってるのがうれしくていいよね。これでチャーハンとシューマイを両方頼まなくてもいいんだもん。お得。
――これ、お酒のおつまみにもなりますよね。
瀧 そうね。ここにふたりで来て飲んで、肉玉チャーハンをシェアしてつつき合うのとかちょうどいいかも。
――「おつまみチャーシュー」(850円)ってのもおいしそうですね。
瀧 ほら、店内に「当店のチャーシューは特別な事はしておりません。ただ萬龍秘伝の継ぎ足しタレを使用し時間をかけて毎日じっくり煮込んだ物です」って説明してあるじゃん。あれは「一朝一夕でできるチャーシューじゃないんだぜ」ってことをソフトにアピールしてるわけだもんね。
――あー、だんだんキンミヤ焼酎を飲みたくなってきました。
瀧 確かに。で、シメにワンタンもやしそばってことだろうな。それにしても、玉ちゃんの影響力は驚きだよ。
***
■新御茶ノ水 萬龍
東京都千代田区神田駿河台3‐2‐6
03‐5207-5678
※営業日時、メニュー、価格などは変更になる場合があります
※この連載は隔号で掲載予定です
※おいしいもやしソバなどの情報は【moemoyashisoba@gmail.com】まで
■ピエール瀧(ぴえーる・たき)
1967年生まれ、静岡県出身。ミュージシャン、俳優、声優、タレント。
「無駄こそ宝なり」が信条。好物はもやしソバ。
公式Instagram【@pierre_taki】
構成/TAKA-HO
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
