ウェッジ1本増で優勝戦線浮上の桂川有人 大学時代同部屋の盟友を追走「一緒に優勝争いしたい」
<日本オープン 3日目◇18日◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7238ヤード・パー70>
欧州ツアーを主戦場とする26歳の桂川有人は、5バーディ・2ボギーの「67」と3つ伸ばして、前日の15位タイから首位と6打差の3位タイまで順位を上げた。首位を走るのは日大時代に同部屋で過ごした清水大成。最終日は盟友の背中を追いかける。
「スタートからバーディが先行して、気持ちが途切れることなく最後まで集中できたかなと思います」と白い歯を見せる。2番パー4でバーディを先行させると、上がりの17番、18番で連続バーディ締め。この日トップの「63」をマークした清水に次いで、今平と並んで2番目の好スコアで上位に進出した。
ショットの状態は初日からいい状態をキープしているが、この日はクラブセッティングの見直しが奏功した。予選ラウンドではウッド類を3番、5番、7番の3本を入れていたが、「5番ウッドを使う機会がなくて。逆に短い距離の半端な距離を打つことが多くて」と52度、59度の2本体制だったウェッジを50度、54度、59度の3本体制にし、5番ウッドを抜いた。すると3日目にして初めてアンダーパーをマークできた。
「きょうはアンダーパーで回れれば、最終日にチャンスがあると思っていた。それで上が伸びてしまったら仕方ないという感じで、自分のプレーに集中しました」。予定通りアンダーパーで回り、快走する首位・清水との差は小さくないが、楽しみもある。
桂川と清水は日大ゴルフ部でチームメイトとなり、3年生からの2年間は木村太一を含めて3人の同部屋で過ごした。「(清水の)第一印象は飛んで曲がらなくて、アプローチもパターもアイアンも全部うまいオールマイティ。こんなに全部上手い人がいるんだ、すごいなって思っていました」と刺激を受け、切磋琢磨しながら腕を磨いた。この日の「63」の好スコアにも「そういうプレーをするイメージは持っていました」と驚きはない。
2020年にプロ転向をした二人。桂川はプロ転向3年目の2022年に初優勝を遂げ、24年には日欧共催大会で優勝して今季から欧州ツアーを主戦場にしている。対して清水は昨年の賞金ランキング8位に入ったが、初優勝は桂川から遅れること3年、今年の「日本プロ」だ。
プロ転向6年目でともに日本のトッププロに成長した。「よく一緒に優勝争いをしようとか話をしています。自分と優勝争いしたら喜んでくれると思います」。リーダーボードの上位に二人の名前があるのは初めてのことだ。
「初日からいい緊張感を続けているので、(最終日に)ゾーンに入りたい。1打1打最後まで気が抜けないコースなので最後までやり切りたいと思います」。昨年の日欧共催大会でも見せたが、勝負強さは桂川の強み。サンデーバックナインで二人が描く優勝争いに持ち込みたい。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。