“NASAらしさ”が戻ってきた 畑岡奈紗が今季最高2位「残りの試合で勝てるんじゃないか、と」
<BMW女子選手権 最終日◇19日◇パインビーチGL(韓国)◇6785ヤード・パー72>
首位のキム・セヨン(韓国)と4打差で迎えた、2年ぶりの最終日最終組。「アドレナリンが出ていた」というショットを修正しながら、畑岡奈紗は機会をうかがった。4番ではセヨン、韓国系米国人のヤーリミ・ノーが先に2メートル前後のチャンスにつけ、ギャラリーが沸くなか、畑岡がその内側の1メートルにピタリ。バーディを先行させ、一時は2打差に詰めよった。
だが、セヨンが5番からの3連続を含む前半4バーディで首位ターン。畑岡は前半2バーディで5打差をつけられた。「序盤は全体的にスコアが動かなかった。そのなかでもう少しチャンスを決めていれば“あれ?”って思わせられたと思う。セヨンもいいプレーをしていて、差を詰めることができなかったのが残念」。そう一日を振り返りながら、言葉の節々には充実感をのぞかせた。
シーサイドコースの強風と対峙しながら、「67」「65」「69」「67」を並べた。トータル20アンダーの大台に乗せて、首位と4打差の単独2位で終えた。「20アンダーにいって勝てなかったのは悔しいけれど、4日間安定したプレーだった。今季ベストフィニッシュできたので良かった」。4ラウンド連続の60台は今季初。3年ぶりVを逃した悔しさを残しながらも、自然と笑みが浮かぶ。
11番では1メートルに寄せたパーパットがカップ左を抜けた。それでも、最終日のボギーは1つだけで、4日間を通してみてもわずか3つ。「ショットがチャンスにつくことが増えてきて、最小限でミスを抑えらえている。やっと自分らしいゴルフになってきたな、というのが感想です」。2023年にはツアー1位に立った“バーディ女王”の面目躍如だ。
終盤での集中力も光らせた。14番で3メートルを決めてバーディとすると、難度が最も高い15番パー3では、2メートルのパットを決めてパーセーブ。16番、17番でもスコアを伸ばし、18番は8メートルを決めて3連続バーディ締め。圧巻の追い上げで、ショット、パットともに好感触を手に残した。
夏から秋にかけて、8月「FM選手権」は7位、「クローガー・クイーンシティ選手権」5位、「ロッテ選手権」8位と上位で終え、今回は今季最高の2位。「残りの試合で勝てるんじゃないかな、というところまで戻ってこれた」。喉から手が出るほど欲しい“二文字”は目前に迫っている。
「今季複数回優勝しているのはジーノ(ティティクル)だけで、(自分も)まだそのチャンスはあると思っている。残りの試合、全部勝つくらいの気持ちで頑張りたい」。日米共催の「TOTOジャパンクラシック」を含め、今季はあと3試合に出場予定。そこには年間女王を決めるビッグトーナメントも含まれている。(文・笠井あかり)
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