松山英樹が示したファンへの感謝 パット苦戦も「日本じゃなかったら気持ちが折れていた」
<ベイカレントクラシック Presented by LEXUS 最終日◇12日◇横浜CC(日本)◇7315ヤード・パー71>
松山英樹は、苦しみながらも最終日に今週ベストとなる4バーディ・ボギーなしの「67」をマーク。トータル8アンダー・20位タイで、米ツアー唯一の日本決戦を終えた。
最終日のパーオン率は全体1位となる94.44%(17/18)を記録。一方で、パーオン後の平均パット数は「1.77」で全体58位にとどまった。「この3日間に比べたらバーディパットを打つ回数が多かったので、スコアを伸ばせるかなと思っていたんですけど。なかなかラインの読みがしっくりこないまま、最後までいってしまいましたね」と、グリーン上で苦しさをのぞかせた。
また、カップに蹴られる場面も多く、「日本じゃなかったら気持ちは折れていました」と、日本のファンからの声援を背に18ホールを戦い抜いた。
4日間を振り返り、「(ギャラリーの声援は)素直にうれしかったですし、いいプレーをしたかったんですけど、なかなか思い通りにはいかない。苦しいですけど、来シーズンに向けて頑張っていきたいと思います」と語った。
大勢のファンが見守る中で納得のいく結果を残すことはできなかったが、連日多くのギャラリーが松山の組についた。松山の存在は、間違いなく大会の盛り上がりに一役買った。
9月22日には同会場で、自身の名を冠したアマ予選会「Hideki Matsuyama Amateur Challenge Presented by LEXUS」も開催。松山の「世界に挑戦できるチャンスを日本のアマチュアにも提供したい」という思いから実現した大会だ。日本大学4年の小林大河が一枠を勝ち取り、今大会に出場した。後進の育成という面でも、松山は今大会に大きく貢献している。
最終日は同組の比嘉一貴とのラウンドとなり、その印象を問われると、「一貴と試合でプレーするのは久々ですけど、彼も苦しんで、アジアとかヨーロッパに行っている。その経験を生かしたプレーが見られたので、すごくうれしい気持ちです」と、東北福祉大の後輩の成長を喜んだ。こうした節々の言葉からも、日本ゴルフ界への思いが感じられる。
自身が望んだ結果ではなかったが、「最後までついてくれたギャラリーの方に感謝したいです」とファンへの思いも口にした。「来年は最初からいい状態で挑めるように準備したい」。シーズンは一区切りを迎えたが、再び日本のファンの前で結果を出すために、松山の歩みは止まらない。(文・齊藤啓介)
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