今の愛読書は『エッセンシャル思考』 河本結の“整いメンタル”を支える大事な時間「いらない感情が出てくるのは嫌」
<スタンレーレディスホンダ 最終日◇12日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇3281ヤード・パー36(変則9ホール)>
今年の目標は60冊。季節を問わず本を読み続けてきた河本結が、読書の秋に今季2勝目を飾った。ビジネス書、自己啓発本、小説、さらには言語や色に関する書籍まで、ジャンルはさまざま。濃霧でスタートが遅れるなか、待ち時間の過ごし方も「読書」だった。
後続に1打差をつけて迎えた最終日だが、スタート時間が何度も変更になり、徐々に遅れていく。結果的には4時間遅れになったが、ただ、これ以上なく優勝に向けてプレッシャーがかかる状況でも河本は落ち着いていた。
「当初のスタート時間が9時10分で今朝は5時30分起きだったんですけど、少し寝不足かなと思ったので、最初に1時間遅れになった時点で、車で30分寝て、それからクラブハウスに戻ってアップを始めました」
さらにスタート時間が遅れると「いらない感情が出てくるのは嫌だったので、この時間を無駄にしないことを考えたら、本を読むか、寝るかだったので、本を読んだり、昼寝をして過ごしていました」。月5冊ペース、年間60冊読破が目標。それに向けて順調に読み進めている。今読んでいるのは「エッセンシャル思考」。ビジネス書のベストセラーで「何かを選択するには何かを捨てなければならない、そういう捨て方の本」だという。
3年前から続けているメンタルトレーニングや、こうした読書の効果で、必要以上に緊張したり、心が波打つことはなくなった。「今振り返ると15番のパーパットとか、めちゃくちゃ緊張すると思うんですけど、それも全くなく、18番のパットも含めて緊張しなくなってる自分が怖いですね」と、笑って振り返るほどだ。
目の前のプレーに集中していたため、ファーストパットの後、同じ組の桑木志帆から「マークしてください」と声を掛けられるまで、次がウイニングパットであることすら意識していなかったという。
変則的な出だし2ホールの1、9番はともに2打目を2メートルにつけての連続バーディ。さらに4ホール目の11番でもバーディを奪い、序盤から後続を突き放した。「リーダーボードがなくてスコアを確認できていなかったので、歓声で誰のバーディかを想像して、最後にバーディを取れば勝てると思っていました。でも18番のボードを見たら3打差でした」。最終日は9ホールで4つ伸ばして「32」。優勝スコアは14アンダーだった。
読書が60冊なら、ゴルフに関しては年間女王が今季の目標。この優勝でメルセデス・ランキングも3位に浮上した。トップの佐久間朱莉との差は480ポイント余り。3日間大会優勝が200ポイント、4日間大会が300ポイント、メジャーが400ポイントという配分のため、およそ2勝分の差だ。
「最終戦の『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』はメジャーでスポンサーさんの大会でもある。そこで優勝して年間女王になるイメージはできています」。読書と同様にこちらも順調。思い描いてきた通り着実にポイントを積み重ねている。(文・田中宏治)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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