日本3勝の52歳は大の温泉好き 充実した“シニアライフ”がゴルフの活力に?「いいことがありすぎて言い訳ができない」
<日本プロシニア TSUBURAYA FIELDS HOLDINGS ULTRAMAN CUP 2日目◇26日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県)◇7154ヤード・パー72>
日本ツアー通算3勝のI・J・ジャン(韓国)が6バーディ・2ボギーの「68」をマーク。トータル6アンダー・4位タイと上位で決勝ラウンドに進む。「先週からショットの調子がいいんです」と、安定感のあるショットが好スコアにつながった。
流れの良い一日だったが、不運な場面もあった。フェアウェイが狭く、緩やかな右ドッグレッグの8番パー4。260ヤードからの2打目は「いいショットだったんですけど…」と感触は良かったが、わずか右に逸れて木に直撃。ボールが見当たらずにロストかと思われたが、「キャディさんが木を登って見つけてくれた」と、今週タッグを組む月森洋二氏が木の上にあるボールを発見した。
「モンキーみたいだった(笑)。ロストボールになってしまうところだったけど、見つけてくれたから助かりました。アンプレアブルしてボギーで耐えることができた。きょうのピンチはそれだけかな」。月森キャディのファインプレーで、大きな崩れを防ぐことができた。
今季は開幕戦「ユニテックスシニアオープン」(6位)から2試合連続でトップ10入りと好発進。その後は24位、30位、16位、53位と中位が続いていたが、先週のメジャー初戦「日本シニアオープン」では、ショット面で復調の兆しを見せ、久しぶりに上位で最終日を迎えた。
ただ、その最終日は「1番(ホール)で変なアプローチをやってしまった。“ちゃっくり”を同じところから3回も。人生で初めてです」と出だしで“+3”を喫し、「75」とスコアを崩してしまった。結果は15位に後退。それでも「ショットはよかったから」と前向きに振り返り、今週につなげている。
先週からメジャー連戦と体力勝負なところもあるが「一旦休んで全部忘れました」と週明けにしっかり休息を取った。「体は本当に大事。疲れたら何もできないし、痛いところがあればプレーもできない」。50歳を過ぎてからは“あっちが痛い、こっちも痛い”ということもしばしば。「ケガしないように気をつけないと…」と52歳は体の衰えも実感している。
そのなかでジャンが徹底しているのは、「起きてストレッチをして、お風呂に入る」という毎朝のルーティンだ。大の温泉好きでもあり、「少し体が重くなったら、キャディさんと一緒に温泉に行っています」と満面の笑みを見せる。
試合会場の周辺では“湯めぐり”を欠かさない。「栃木、コマツ、指宿、静岡…いっぱいあるよ」と楽しそうに語った。今週は温泉こそ行けていないが、会場となるイーグルポイントゴルフクラブの広い浴場で疲れを癒している。来週は「コマツにいいところがあるので楽しみ」と胸を躍らせる。
今季の16試合のうち、折り返し地点の9試合目を迎えた。「早いですね…。もう10月で、あっという間にクリスマスが来そうです」としみじみ。残りに向けても「いつも一生懸命頑張るから問題ない」と前向きだ。「いいコース、温泉、食べ物、いいことがありすぎて言い訳ができない(笑)。それが大事。ゴルフはそのあと…」と冗談交じりに話しつつも、充実した“シニアライフ”がゴルフへの活力になっている。
シニアツアー初参戦となった2023年「ノジマチャンピオンカップ箱根シニア」以来のツアー2勝目が狙える位置でムービングデーを迎える。取材対応を終えると、練習場に向かいショットの調整、その後は念入りにパッティング練習に励み、3日目に備えた。(文・高木彩音)
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