QT廃止で目指すは「藤田さんルートしかない」 宮本勝昌の米ツアー挑戦の意志は変わらず
<日本プロシニア TSUBURAYA FIELDS HOLDINGS ULTRAMAN CUP 事前情報◇24日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県)◇7154ヤード・パー72>
初めてのシニアメジャー優勝を目指す昨年の賞金王・宮本勝昌に、日本シニアプロNo.1決定戦の開幕前に悲報があった。それは米国男子シニアツアー(PGAツアーチャンピオンズ)に参戦するための予選会(QT)の廃止が決定したこと。宮本はこれまで2023年、24年と2度挑戦しており、今年も出場を予定していた。
「QTがなくなって、今年12月に向けての気持ちの持っていき方は、少し変わりますよね。もちろん、目の前の試合で優勝を目指すことは一緒だけど、目標設定が…。正直、QTがなくなったことでモチベーションはガクンと落ちました」
こう本音をもらすが、前向きな姿勢は変わらない。「今週のプロシニアもこの先も、試合に臨む気持ちは変わらない。いままでは10月序盤まで(賞金ランキング)最上位者でいれば最終予選(QT)に行けると思っていたのが、(最終戦の)指宿が終わった時点で上位2位にいなきゃいけないことに変わった。そこに気持ちは切り替えました」。
例年通りであれば、シーズン終了時の賞金ランキング上位4位までには翌年の海外メジャー「全米シニアオープン」と「全米プロシニア」、さらに賞金ランキング10位までの上位2名には「全英シニアオープン」への出場権が与えられる。現在ランキング2位につける宮本が言うように、海外メジャーすべてに出場するためには上位2人に入ることが必須となる。
QTが廃止され、宮本が米シニアツアーに参戦する道は「藤田さんルートしかない」と話す。藤田寛之はスポット参戦した昨年の全米シニアオープンでプレーオフの末2位に入り、プレーオフシリーズの2戦目では3位。ポイントランク33位でシード権を獲得し、米シニアツアーを主戦場に移した。これが宮本の目指すルートになる。
今後の目標は明確だ。「メジャー3試合に出て25万ドル稼ぐこと。そうすると、ランキングが(プレーオフに出場できる)72位以内に入ると思うんです。そこでもう1回“大当たり”すると、翌年のシード権を取ることができる」。これまでの成績から予測し、道筋を細かく立てた。
海外メジャーでの出場経験があるからこそ、難しさは理解している。「もちろん3試合で25万ドル稼ぐのは大変なことですけど、QTの一発勝負の5位も一緒。逆に考えたら、3回チャンスがある。1回トップ5に入らないとその25万ドルの数字は見えてこないので、どっちにしても“大当たり”させて5位以内に入るのは必須。同じこととして捉えています」と覚悟を示す。
来年も日本のシニアツアーを主戦場に、海外メジャーにスポット参戦する予定。そうすると、「日本のシニアは16試合、アメリカのメジャーで最大3試合。19試合しかない」と物足りなさを感じることも本音だ。
「少し暇になるので、JGTOの予選会に行こうかなって、一瞬は思いました。でも、現実問題としてレギュラーツアーに出たところで優勝争いができそうもない。来年はシニアで戦いながら、倉本(昌弘)さんたちが取り組まれていることなどに積極的に手伝いさせていただこうかなと」と胸の内を明かした。
QTはなくなったが、かねて目標としている「アメリカで戦うこと」への意志は1ミリも変わらない。まずは3年連続の“賞金王”を狙って、残りの試合を戦っていく。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。