未解決事件の闇より濃い“心の影”が、誰もが感じたことのある“思春期の痛み”を思い起こさせる<FOGDOG>

因縁の未解決事件「谷中児童殺人事件」に挑む
平祐奈×丸山隆平がタッグを組む新感覚刑事ドラマ「FOGDOG」(読売テレビ)の第7話が9月1日にオンエアされた。未解決事件に挑む狗飼錐(平)と猿渡響(丸山)が、新たな仲間とともに“幽霊騒ぎ”の真相を暴いてみせた。(以下、ネタバレを含みます)
異色バディが事件に挑む刑事サスペンス
本作は、人の顔を見分けられない相貌失認を抱える休職中の若手警察官と、破天荒な検挙率ナンバーワンの左遷刑事が、未解決の事件に挑む完全オリジナルサスペンス。BABEL LABEL のナカモトユウと澤口明宏、そして『絶メシロード season2』の名倉良祐が監督を務め、王道のバディものに心理戦と軽妙なやりとりを織り込んだ。
錐は“驚異的な記憶力”を武器にする23歳の休職中の警察官。相棒の猿渡は高い検挙率を誇る一方、暴力事件で左遷された“昭和気質”の熱血刑事。社会の主流から少しはみ出した2人だが、それぞれの長所で事件に挑む。

晴れて復職が決定した狗飼錐(平祐奈)
錐の父の命を奪った“カッパ男”と対峙の時を迎える
次々と事件を解決してきた手応えから錐は正式復職を決意し、復帰祝いの夜に8年前に殉職した父・狗飼十四郎(山口馬木也)が最後に追っていた“谷中児童殺人事件”の再捜査を猿渡に直訴。十四郎と名コンビを組んでいた鬼頭康臣(高橋克典)の存在が影を落とす中、二人は猿渡の元相棒・小鳥遊茉祐子(新川優愛)と合流して動き出す。
谷中児童殺人は8年前の未解決殺人で、雨の夕刻に下校中の小学生が失踪し三日後に遺体で発見された。当時、フードを深く被ったレインコート姿の不審者が複数目撃され“カッパ男”の通称が広がる。捜査を担っていたのは十四郎と猿渡の元上司・鬼頭で、十四郎の命を奪ったのは“カッパ男”だとされる。二人が鬼頭に当時の話を求めるも「この件はもう諦めろ」と突き放される。
小鳥遊(新川)は別件の児童失踪でも“カッパ男”が捜査線上に浮かんでいると錐に耳打ちするが、その情報には鬼頭の指示でかん口令が敷かれていた。鬼頭への不信が募る中、錐・猿渡・小鳥遊のもとへ“カッパ男”の目撃情報が入り、急行した現場での追跡中に錐は背後から刺されて倒れる。顔は視認したものの相貌失認のため識別できず、そのまま意識を失ってしまう。

カッパ男とついに対峙する
猿渡の過去の顔も描かれる
復職を選んだ錐を支えるのは、殉職した父・十四郎が残した未解決を“いま自分が引き継ぐ”という強い意志で、十四郎と鬼頭のかつてのバディ像が示される一方で、錐と猿渡の現在の関係が対比されることで過去と現在が一本の線で結ばれていく。
同時に、猿渡の過去も立ち上がる。かつての相棒・小鳥遊茉祐子の登場により、左遷へ至った荒い現場感覚や組織との摩擦が、単なる猿渡の性格ではなく“積み重ねてきた歴史”として浮かび上がる。十四郎の時代に何が起きたのか、猿渡が何を背負ってきたのかという問いが物語のエンジンとなって回転を増す。

卒塔婆を振り回す猿渡(丸山隆平)と、それを制止する小鳥遊(新川優愛)
小ネタの密度と緊迫の急展開にSNSが騒然となる
放送直後のSNSには「キリちゃん…!」と悲鳴交じりの反応や、「ぬ~べ~もパーティーハットも卒塔婆も一気にきて忙しかった」といった小ネタ満載の演出に言及する声が相次ぎ、物語外の遊び心と本筋の緊迫感の落差が話題を呼んだ。
さらに「新しさと懐かしさが同居している」「丸山隆平の力強い芝居に毎回引き込まれる」「父の事件の真相がどこへ着地するのか楽しみ」「長期シリーズ化してほしい」といった期待の投稿がタイムラインを埋め、刺傷という衝撃的な展開が次回への関心を大きく押し上げた。
【制作・編集:WEBザテレビジョン編集部】

猿渡の元相棒・小鳥遊茉祐子(新川優愛)と現在の相棒・錐(平祐奈)

酒に呑まれる錐の父・十四郎(山口馬木也)の生前の姿

刺された錐(平祐奈)を発見する猿渡(丸山隆平)
記事提供元:Lemino ニュース
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