シニア入り後、初の低迷 56歳の名手・深堀圭一郎が語る“今”「内心、悔しいですよ」
<日本シニアオープン 最終日◇21日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>
レギュラーツアー通算8勝の56歳・深堀圭一郎は今年、シニアツアー入りをしてから「初めて」苦しいシーズンを過ごしている。
そのなか迎えたメジャー今季初戦は、トータル1オーバー・32位タイで予選を通過すると、3日目には今年の自己ベストスコアとなる「68」をマーク。最終日は、前半にスコアを2つ伸ばすも、後半に失速し2オーバーとスコアを崩したが、トータル1アンダー・24位タイで終えた。
3日目の8番パー5(510ヤード)でのイーグルは、深堀にとって兆候が見えるものだった。「本当にいいティショット」をフェアウェイに置くと、219ヤードのつま先上がりのライからカットをかけてスライス弾道で2オンに成功。10メートルのパットを沈めた。
「見事なイーグルだったと思う。バットなイーグルではなくて。そういう瞬間はうれしいですよね。言うことを聞かない自分しかいなかったから…」。兆しが見える“◎”となった。
2019年にシニアツアー入り。競技以外にもレギュラーツアーの解説や人気プロとしてゴルフ番組にも出演する。ナビゲーターを務める、情報・ドキュメンタリー番組の『CROSSOVER ~こころを動かすスポーツ~』という番組を持つなど忙しい日々を過ごしながらも、ここまでシニア通算2勝を挙げている。
毎年かならずトップ10入りを複数回果たしてきたが、今年は8試合に出場し、最上位が今回の24位タイとなかなか状態が上がってこない。ただ、日本一を争う試合では、「ゴルフがずっとよくなかった。でもいろいろやりながら、光を求めてやっている。やっと向くべき方向が少し見えてきているかな」と笑顔を浮かべることができた。
そんな深堀は自身の現状、そして今後について、じっくりと語る。
「こういう時もある。これでかみ合ってくれればいいですけど、まだまだ…。今年は1回ぐらい優勝争いができればいいかな。内心は悔しいですよ。でも、悪いのを悪いなりに受け止めることもできているし、原因もわかっている。それをどう直していくのか。すぐ治るかは、わからないけど。
でも長年やっていたおかげで、プレーは続けられる。この歳で致命傷にはならない…心も体もね(笑)。そういう意味では、ちょっとひと呼吸。ガマンのときですけど、諦めてもないし、適当にやっているわけでもない。いまの現状をしっかり把握してやっています」
スランプの自分と、しっかり向き合っている。
また、こんな経験もいいイメージにつながっていく。今年の「日本オープン」(10月16〜19日)は、03年に自身が制した時と同じ日光カンツリー倶楽部(栃木県)が舞台になる。今回は解説として、大会に携わる。
「先日、(コースを)回らせてもらって、ひさしぶりにバックナインをプレーしました。回りながら、昔のことを思い出して、やっぱり最終日のバックナインはいいフィーリングだったというのが頭の中にも体にもあった。そういうことを感じながら回ることができたのは、いい時間でした」。かつての自分と“触れ合う”貴重な時間になった。
今週行われる、メジャー今季第2戦の「日本プロゴルフシニア選手権」(25~28日、茨城・イーグルポイントゴルフクラブ)にも出場。光明が見え始めた今、取り戻しつつある笑顔を、さらに大きくする一週間にしたい。(文・高木彩音)
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