総距離6800yd超! 優勝予想スコア「5アンダー」の“メジャー仕様”大洗GC…その仕上がりは?
<ソニー 日本女子プロ選手権 事前情報◇10日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が、「アジアNo.1のメジャー」を目指す大会は、今年、超難コースとの戦いが待ち受けていそうだ。JLPGAの小林浩美会長が「このゴルフ場で女子の試合がしたかった。昭和の頃はこういうコースで試合をする機会はなかった」と興奮気味に話した難関・大洗GCが、その舞台になる。
その仕上がりに、協会は胸を張る。ラフは100ミリと公表されたが、コースセッティングを担当した山崎千佳代は、「120ミリから、場所によって150ミリほどある」と明かす。
名匠・井上誠一氏設計のコースということもあり、代名詞ともいえる“空中のハザード”ももちろん点在。これにシーサイドコース特有の強風も絡み、「心技体すべてそろわないと優勝争いはできない。技術はもちろん、心の部分で慌てず、粘り強く4日間プレーした選手が優勝争いに入る」(山崎)というメジャーらしい、締まった試合が期待できそう。
今年も日本列島は酷暑が続いているが、前日会見に出席したアグロノミスト(農学者)で宮崎大理事の農学博士・明石良氏も、「ベント芝は暑さでもたないと言われているけど、この夏を過ごし仕上がっています。コンパクション(グリーンの硬さ)も日に日に増している。そこをプロがどう打つかを楽しみに見てもらいたい」と、その仕上がりぶりに目を丸くしたほど。
この天候のなかでもメジャーコースを維持するために、日夜問わず散水するなど協力体制を敷いたコースに対して、協会は感謝を伝える。速さを表すスティンプメーターも開幕前時点で10フィートを超すが、これも週末になるにつれスピードアップする可能性もある。
JLPGAとして想定する優勝スコアは「5アンダー」。その話を聞いても、タフさは伝わってくる。大洗GCは2022年、そして昨年の最終プロテストでも使用されたが、22年が6543ヤード、24年が6602ヤードだったのに対し、今週は6840ヤードに設定。これは6955ヤードだった「ニトリレディス」に次いで、今季ここまでで2番目の長さ。そのうえ「日によって風の強さも変わるし、風向きが毎日変わる予報も出てる」(山崎)という海風が選手たちを大いに苦しめそうだ。
小林会長は、「女子が太刀打ちするのは難しい。選手たちがどんなゴルフをして、どんなスコアになるのかが楽しみ。元々、難度が高いところに(山崎がセッティングで)難しさを上乗せしてくれています。全ての技術が出るからおもしろい」と見どころを話す。選手たちの対応力が試されそうだ。(文・間宮輝憲)
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