6年ぶりVの柏原明日架「さらに上にいくために」 スイングコーチが“年イチ”キャディを務める理由
<ゴルフ5レディス 事前情報◇4日◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6505ヤード・パー72>
8月の「NEC軽井沢72ゴルフ」で6年ぶりのツアー3勝目を挙げた柏原明日架。今大会では年に一度の“特別な相棒”とともに戦う。
柏原には2人のコーチがいる。ひとりはゴルフを始めた頃から指導を受ける父・武道さん。そしてもうひとりが2023年から本格的に師事するスイングコーチの森守洋氏だ。19年には初優勝を含む年間2勝を挙げたが、22年にシード権を喪失。父の勧めもあり、森コーチの門を叩いた。技術面は森コーチ、精神面などは父から指導を受け、その結果、シード復活、6年ぶりの優勝をつかんだ。
今大会では森コーチが柏原のキャディを務める。昨年の「ソニー 日本女子プロ選手権」以来で、年に一度だけ実現する“スペシャルタッグ”だ。
「森さんは自分の出る球とか、アングルのクセを理解してくれている」。持ち球がフェードの柏原だが、最近は左にハザードがある時に左に打ち出せず、右に出す悪癖が出ている。その修正は優勝した軽井沢から森コーチと取り組んでいる。
6年ぶりの優勝を果たした試合を振り返っても、「ショットは全然できていない中で、パッティングが入っての優勝だった」と、決して満足のいくものではなかった。「ショットが(練習で)やっている通りにできたら、もっと上に行ける回数が増えると思います」。結果だけに満足せず、常に先を見据えた取り組みを行っており、今週は森コーチにロープ内でチェックしてもらう。
秋の陣で力を発揮する狙いもある。柏原はもともと夏場の試合は苦手で、秋口から調子を上げるタイプ。「(最終戦のLPGAチャンピオンシップ)リコー(カップ)までにあと1、2勝はしたいと思っていますし、今後の自分の課題を少しずつ埋めて、先を見据えて森さんとやりとりをしています」。最終戦までこの試合を含めて残り13試合。秋以降に勝ち星を重ねるため、そして来年以降も上位で戦うために自身の課題と向き合っている。
今大会はショットの確認だけでなく、軽井沢で浮き彫りになった別の課題にも着手した。「ウェッジでのショットの距離が残っても、バーディチャンスにつけられないという悩みがありました」。ウェッジは48度、52度、56度、60度の4本を入れているが、フルショットの時に思い通りの距離を打てなかった。
軽井沢ではパッティングが好調だったこともあり、ウェッジの不調をごまかすことができた。しかし、翌戦の「CAT Ladies」で「もろに出た」と予選落ち。舞台となった大箱根CCはグリーンにアンジュレーションがあり、ピンポイントで狙いたいところで、うまく寄せることができなかった。
大会前にウェッジを調整し、練習では好感触だった。今大会もウェッジショットでグリーンを狙う状況が多く、アンジュレーションのあるグリーンが特徴。成果を試す絶好の機会だ。悪天候の影響で36ホールの短縮競技となったが、今大会で内容の伴った結果を出すためにも、秋以降にさらに存在感を示すためにも、アングルとウェッジの2つの課題を持って、森コーチと二人三脚で臨む。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。