米ツアーは「無限に成長できる環境」 ルーキー・大西魁斗が得た自信と課題
<ロピア フジサンケイクラシック 事前情報◇3日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
米男子ツアー1年目を戦う大西魁斗(おおにし・かいと)が、国内男子ツアー今季3試合目に臨む。米国での経験を胸に、日本でのプレーに挑んでいる。
7月31日開幕の米ツアー「ウィンダム選手権」終了後に帰国。8月7日から3週にわたって行われたポイントランキング上位選手によるプレーオフシリーズには出場できず、その間は日本ツアーに参戦している。
大西は9歳で練習環境を求めて渡米。南カリフォルニア大学に進学し、“オールアメリカン”に選ばれるなど学生時代から活躍した。2021年にプロ転向し、2年目には今大会でパク・サンヒョン(韓国)とのプレーオフを制して初優勝。24年には米下部ツアー「UNCヘルス選手権」で初優勝を飾り、年間ポイントランキング25位に入って、念願の米男子ツアー出場権をつかんだ。
しかし、世界のトップが集まる米ツアーは一筋縄ではいかない。今季はこれまで19試合に出場し、予選通過はわずか3度と苦戦が続く。「正直(状態は)あまり良くないです。でも、少しずつ良くなっている。やるべきことは明確なので、それを一つひとつやるだけ」と前向きに語る。
もどかしさもあるが、「とても楽しいし、学ぶことがたくさんある。無限に成長できる環境」と挑戦の日々を楽しんでいる。特に自信を深めているのがショートゲーム。「完全に上手くなっている。向こうではアイアンの精度も強く求められるので、そこも良くなった」と手応えを口にする。一方で「ドライバーの安定性が出れば、もっといいスコアを出せる」と課題も冷静に見据えた。
今シーズンからは星野陸也、金谷拓実も米ツアーに参戦。日本勢との交流については「基本的にない」ときっぱり。「みんな自分のリズムで動く。僕は早朝から練習に行くタイプ。会うのは試合や練習ラウンドのときくらい」。それでも「みんな真面目にやってます」と、最高峰の舞台に挑む仲間たちの姿勢を認めた。
今大会を終えれば米ツアーに戻り、来週の「プロコア選手権」からフォール・シリーズに臨む。「まだ分からない。調子も見つつ」と話しており、国内ツアーはこれが今季最後の出場となる可能性もある。
「(3年前に)優勝したコースなので、相性は悪くないはず」。学び続ける姿勢と確かな成長を武器に、再び富士桜攻略を狙う。(文・齊藤啓介)
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