天高く、掲げた左手 目に涙… はなかった!? 渋野日向子、全英制覇の記憶【写真で振り返る全英V】
今季最後の海外女子メジャー「AIG女子オープン」(全英)が、現地時間22日(木)に開幕する。今年の舞台は聖地セント・アンドリュースのオールドコースだ。今年は笹生優花、古江彩佳と日本勢がメジャーで2勝、そして本大会でも多くの日本人が活躍してきた。
2019年大会を制したのが渋野日向子だった。初めての海外試合ながら初日から躍動し、ついには樋口久子以来42年ぶりのメジャー優勝を果たし、列島はフィーバーした。海外メディアやファンも渋野に注目。笑顔を振りまきながらプレーし、勝利をつかんだシンデレラストーリーは全世界を駆け巡った。
そんな渋野の活躍を当時の記憶とともに、写真で振り返っていく。
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優勝がかかった最後のパットは6メートル。下りのラインで、渋野が打ち出したバーディトライは、カップに向かって一直線に転がった。『強い!』と誰もが思った一撃は、カップの向こう側にあたる、当時の代名詞ともなった“壁ドン”でカップイン。1打差でリゼット・サラス(米国)を振り切り、快挙を達成した。
パターを握った左手を高々と天に向かってかかげたシーンは今でもファンの目に焼きついており、映像で見ることも多い。後世まで語り継がれるあのパットの瞬間、18番グリーンは歓喜の輪に包まれた。
42年ぶりの偉業。誰もがうれし涙を流した。渋野もプレッシャーから解放されて安どの涙を流す、かと思われたが、渋野の目に涙はなかった。「泣くと思ったら、涙が出なかった(笑)」。ひとしきり優勝者の行事が終わったあと、渋野はこうつぶやいている。
あまりの驚きで、涙が頬を伝う間もなかった。顔を手で覆う仕草も見せたが、『あれ、出ない(笑)』と自分でもビックリだったという。
日本から来た20歳の無名選手が全英制覇。涙でなく、最後まで笑顔を貫いたシンデレラストーリーに、ファンの笑顔もはじけた。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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