「めちゃくちゃしたい~! させてくれ~」自己ベスト更新の柏原明日架は6年ぶり勝利を“渇望”
<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 2日目◇16日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>
第2ラウンドで、自己ベストスコアの「65」を出してトータル10アンダーの首位タイに躍り出たツアー通算2勝の柏原明日架だが、その表情は100%の快晴とはいえない。「(15番パー4は)めっちゃ悔しいですね。防げたボギーだった」。フェアウェイからの2打目がグリーンの段を越えず、そこから3パットで喫したミスが、その原因だ。
ただ、そこまでは8~11番で4連続バーディを奪うなど快調。初日の18位から一気にリーダーボードを駆け上がった。救いになったのは、ボギーの後、立て続けにバーディを決められたこと。16番パー5では残り210ヤードから2オンに成功し、20メートルのイーグルパットを寄せて奪い、17番パー3は右エッジからの6メートルをねじ込んだ。「グリーンを狙うショット、チャンスを作るマネジメントは初日に比べるとできていた」と納得感ももちろん大きい。
今季は開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」を7位で終えたが、トップ10入りはその試合だけ。「調子はいいのにスコアにつながらなかった」とモヤモヤを抱きながらプレーを続けていた。だが、今週はずっと娘を指導してきた父・武道さんが、6月の「ニチレイレディス」ぶりにコースを訪れチェック。現在、師事する森守洋コーチも一緒にアドバイスし、その原因を導きだした。
気づいたのは、持ち球にするフェードボールの曲がり幅。左に打ち出して右へと曲がっていく球だが、「フェードをかけきれないミスが続いて、左からアタックできないことが続いた。自分でコースを狭くしていた」ことを認識した。左側にハザードがあったり、フェードだとボールが遠ざかっていく左サイドにピンが切られている時に、「パーオンに意識が飛んでしまい」その持ち球を最大限に活用できていなかったという。「イメージの問題」。父、コーチからの『できる』という言葉を信じ、軽井沢では極限まで持ち球のポテンシャルを引き出している。
また、そのやり取りのなかでは、こんなことも再確認した。「パーオン数が初日は11回で、きょうが14回。今までは“3回くらいの差”は大したことないと思ってたけど、それがどれだけスコアに影響しているかを父とコーチと話して、気づいた」。最終日のカギに挙げるのも、グリーンを狙うショットの精度。現在、62.6102%で78位のパーオン率を大きく上げるような意識で、取り戻したフェードボールを打ち込んでいきたい。
初優勝を含む2勝を挙げた2019年から、はや6年が経過。この間には22、23年のシード獲得失敗など、低迷期も過ごした。『優勝への意識は?』と聞かれると、「めちゃくちゃしたいですよ~! させてくれって感じ~」と、声のトーンも自然に上がる。とにかく3勝目が待ち遠しい。
2試合前の「大東建託・いい部屋ネットレディス」を制した渡邉彩香や、先週の「北海道meijiカップ」で優勝した河本結の姿を見ると、その気持ちはさらに強まる。「学生の時から戦っている先輩や後輩が勝つと刺激になりますね」。首位とはいえ混線状態の最終日。伸ばし合いの大会で、きっちりと逃げ切りに成功したい。(文・間宮輝憲)
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