内田ことこ、史上5人目の快挙へ アンプレ、ダボありの一日も“耐”「優勝はすごくしたい」
<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 3日目◇12日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6688ヤード・パー72>
地元・北海道でツアー初優勝を目指す内田ことこが、山あり谷ありの18ホールをイーブンパーにまとめ、トータル13アンダーで初日からの首位を守った。3バーディ・2ボギーと1つ伸ばした前半が「山」なら、「疲れました」と大きく息を吐いたダブルボギー&アンプレヤブルの後半が「谷」だった。
パーオンした11番パー5はまさかの4パットを喫した。1メートルもなかったパーパットがカップに蹴られ、ボールは1メートル以上も左に流れた。ボギーパットはカップの右を抜けた。この時点で3打あったリードは1打にまで減った。
2オンに成功した直後の12番パー5、15番パー4のバーディでダブルボギーは帳消しにしたが、16番で再び試練が訪れた。左に曲げたティショットがほとんど人の手が入っていない深いラフに飛び込み、競技委員を呼んで、自分のボールと確認したあとにアンプレヤブルを宣言した。1罰打で救済を受け、4オン1パットのボギー。後半はスコアを1つ落としてムービングデーを終えた。
「11番のパーパットは強かったですね。16番は風も左からだったし、左に行っても右に大体はかえってくるのが、左にはねただけ。ショット自体はそんなにミスではないです。アンプレは最初からするつもりでした」
ゴルフは1つのミスが命取りになる。ダボ&アンプレで失った貯金が最終日の結果にどんな影響をおよぼすかは、わからないが、4パットの直後にはバーディをしっかり決めた。16番もつま先下がりの難しいライからの3打目をグリーン奥まで運び、4オン1パットでしのいで、キズは最小限にとどめた。ズルズルと後退してもおかしくなかった一日をイーブンパーで踏みとどまった粘りを、プラスにとらえれば気持ちも少しは軽くなる。
「12番はティショットも普通に打てたし、しっかり切り替えることはできたと思う。16番もダボにならなくてよかったし、耐えたという感じです」
1988年のツアー制度施行前も含めて、4日間大会で初日からの首位を守る完全Vで初優勝を果たせば、2010年「日本女子オープン」の宮里美香以来、15年ぶり5人目の快挙となる。北海道勢の地元Vは23年「ニトリレディス」の菊地絵理香以来、5度目(4人目)となる。
「明日は緊張すると思うし、きょうも緊張していた。優勝はすごくしたい。でも、あまり強く思わず自分のプレーをしたいです」
5位タイまでの7人で優勝経験者は小祝さくらだけ。それぞれの初Vをかけた最終日。2位に2打差をつけて、優勝に一番近いところにいる22歳は、21年のデビューから123試合目で歓喜のゴールに必ず飛び込むつもりだ。(文・臼杵孝志)
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