その公共のUSBポート、危険かも!? スマホを守る「USBデータブロッカー」の効果を検証
USBケーブルはデータ転送も可能ですので、スマホを充電するためにホテルや空港といった公共のUSBポートにUSBケーブルを挿すと、何者かにスマホのデータを抜かれる危険性があります。そのようなときは、データ転送を遮断できる「USBデータブロッカー」がオススメ。そこで今回は、筆者が実際にAmazonで購入したUSBデータブロッカーをテストしてみます。

ホテルやカフェ、空港などの公共USBポートは危険なの!?
旅行中、スマホのバッテリー残量が少ないときは、ホテルやカフェ、空港といった公共の充電用USBポートを利用することがあるでしょう。
しかし、スマホをUSBケーブルで接続すると充電だけでなくデータの転送も可能になるため、もし、悪意のある人が何らかの仕掛けをしていると、スマホのデータを抜かれてしまう危険性があります。
もちろん、コンセントならACアダプタを使えば安全なんですが、いつもACアダプタがそばにあるとは限りませんよね。

もし、プライベート写真やビジネスデータが漏洩してしまったら、大変なことになりますので、そのような事態を確実に避けたいなら、データ転送を遮断できる「USBデータブロッカー」を利用したほうがいいでしょう。
最近は、100均でもLightning接続iPhone用に充電専用(片側接続)ケーブルも売られていますが、今回筆者がAmazonで購入したのはUSB Type-AやType-C接続の「USBデータブロッカー」です。


これは中国からの直送でかなり不安に感じる方もいるかもしれませんが、USB Type-Aが2個、USB Type-Cが2個セットで価格は1,700円ほどでした(2025年7月現在)。詳細なスペックは不明ですが、Amazonの説明では最大 5-50V/1-5Aに対応すると書かれています。
本当にデータ転送ができないのかをチェック!
今回使用するデータブロッカーですが、本当にデータ転送が遮断されるのか、「USB CABLE CHECKER2」というデバイスでチェックしてみましょう。
まず、実験に使うUSB Type-C/Cケーブルをチェックしてみます。すると、USB 3.2以上の高速データ通信を示す「TX1+/TX1-」「RX1+/RX1-」「RX2+/RX2-」「TX2+/TX2-」や、USB 2.0のデータ通信を示す「D-/D+」などがすべて点灯。さらにはPD60W超に対応する「e-Maker(E-MARKED)」表示も確認できました。

そこで、このUSBケーブルにUSBデータブロッカーを接続して「USB CABLE CHECKER2」でチェックしてみたところ、データ通信に関わる「TX2+/TX2-」「RX2+/RX2-」「D-/D+」などはすべて消灯していました。
これなら、公共のUSBポートに接続してもデータ通信はできないので、安心してスマホを充電することができますね。

次に、USB Type-Aのほうも「USB CABLE CHECKER2」でチェックしてみましょう。今回使用するUSB Type-A/Cケーブルは、USB 3.0の高速データ通信「TX1+/TX1-」「RX1+/RX1-」や、USB 2.0のデータ通信「D-/D+」が点灯しています。

このUSBケーブルにUSBデータブロッカーを接続して「USB CABLE CHECKER2」でチェックしてみたところ、USB 3.0の高速データ通信「TX1+/TX1-」と「RX1+/RX1-」は消灯しましたが、USB 2.0のデータ通信「D-/D+」は点灯しています。本当に大丈夫なのでしょうか? 少し不安になりますね。

不安になった筆者は、USBデータブロッカーを使って、実際にAndroidスマホとWindowsパソコンに接続してみました。
すると、通常はAndroidスマホ側でメニューが表示され、「充電のみ」や「ファイル転送」などが選択できるのですが、今回は何も表示されず充電だけが開始されたのです。
また、接続しているスマホ側には「システムUI・USB経由でこのデバイス…」が表示されず、パソコンとスマホのデータをやり取りすることはできませんでした。
やはり、USBデータブロッカー側でデータ通信ができないように、何らかの処理が行われているようです。これならスマホのデータが漏洩することはないでしょう。


USBデータブロッカーが充電速度に影響を与えないのかを検証!
とりあえず、USBデータブロッカーを使えば、スマホを公共USBポートで充電しても、データを抜き取られる心配はいらないようです。
でも、気になるのが充電速度が低下しないのかということでしょう。そこで、実際に、USBデータブロッカーの装着前と後で充電速度が異なるのか確認してみました。
まず、USB Type-C/Cケーブルで充電してみたところ、9.07V/1.48A=13.4Wで充電されました。次に、USBデータブロッカーを装着して充電してみましたが、9.02V/1.48A=13.3Wと、ほぼ同じ数値で充電することができました。

次に、USB Type-A/Cケーブルで充電してみたところ、4.97V/1.97A=9.76Wで充電されました。続いて、USBデータブロッカーを装着して充電してみると、4.87V/1.97A=9.57Wでしたので、ほとんど変わらない数値で充電できていたのです。これはいいですね!

まとめ
いかがでしょうか? 今回は、ホテルやカフェ、空港といった場所にある公共USBポートでスマホを充電するとき、データ転送を遮断してくれる「USBデータブロッカー」を実際にテストしてみました。
その結果、パソコンではスマホのデータのやり取りができませんでしたし、スマホの充電速度にも影響がほとんど出ませんでした。これなら安心して使うことができるでしょう。
もし、出張や旅行先で公共のUSBポートを使うことが多い人は、万一のデータ漏洩を防ぐためにも、このような製品を利用してみてはいかがでしょうか?
記事提供元:スマホライフPLUS
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