ボスニア・ヘルツェゴビナ出身監督が描く半自伝的作品 「テイク・ミー・サムウェア・ナイス」予告
2025年9月13日より劇場公開される、第48回ロッテルダム国際映画祭のタイガーアワード特別賞を受賞した、エナ・センディヤレヴィッチ監督の初長編監督作品「テイク・ミー・サムウェア・ナイス」の、予告編が公開された。
「テイク・ミー・サムウェア・ナイス」は、幼い頃に別れた父を訪ね、母国であり異国の地ボスニアへと向かう一人の少女と、彼女の旅の道連れとなる二人の青年を描いた作品。少女アルマは、オランダ生まれのボスニア人。両親は戦火に揺れた祖国を離れ、オランダで彼女を育ててきた。やがて父はひとり祖国へ戻り、消息は遠ざかっていた。そんな父が入院したという知らせが届き、母に言われるまま、アルマはたったひとりでボスニアへと向かう。
出迎えたのは、ぶっきらぼうで何の手助けもしてくれないいとこのエミル。部屋に置き去りにされ、キャリーケースは壊れ、荷物も取り出せず、居場所のない空間に身を持て余す。そんな時、アパートの扉の前で眠り込んでいた彼女に声をかけたのは、エミルの“インターン”を名乗るデニスだった。彼だけが、彼女の話に耳を傾けてくれる。だが、ようやく父のいる町を目指し、小さなキャリーケースを引いてバスに乗り込むが、休憩の間にバスは彼女を置き去りにし、荷物だけを乗せたまま走り去ってしまう。
監督は、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でオランダ育ちのエナ・センディヤレヴィッチ。長編デビュー作となる本作は、監督自身のルーツを主人公に色濃く投影した半自伝的な作品で、監督が心酔するジム・ジャームッシュの代表作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」から多大なインスピレーションを受けている。世間知らずで気まぐれ、ふてぶてしくも繊細なアルマ役を演じるのはサラ・ルナ・ゾリッチ。旅の道連れとなるエミル役のエルナド・プルニャヴォラツとデニス役のラザ・ドラゴイェヴィッチは、それぞれ孤独や閉塞感を抱えた若者像を体現している。










【作品情報】
テイク・ミー・サムウェア・ナイス
2025年9月13日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:クレプスキュール フィルム
© 2019(PUPKIN)
記事提供元:映画スクエア
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