デマから殺害予告へ…仕事激減、家族も標的に…元芸人が告発する「ネットリンチの闇」
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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1989年、東京・足立区で、未成年の男たちが女子高校生を監禁し、暴行を加えた末、ドラム缶にコンクリート詰めにして殺害するという残虐な事件が発生した。
お笑い芸人のスマイリーキクチは、約26年前、その犯人の一味だという完全なデマを“2ちゃんねる”に書き込まれる事態に。悪質な書き込みをした人物を、キクチは約9年間かけて特定し、19人を検挙。これは、ネット上での集団的な誹謗中傷が一斉摘発された、国内初の事例だという。
そもそも、なぜキクチは犯人の一味に仕立て上げられたのか?
キクチの出身地が事件の起きた足立区で、年齢が犯人と近かったことから、誰かがいたずらで“2ちゃんねる”に「犯人の1人だった」と彼の本名を書き込んだそう。
そのデマ情報がどんどん拡散され、「事件をボキャブラ天国でネタにした」「ライブでネタにした」というデマや、関係者を名乗る人物が「一緒に乱暴しました」といったデマを次々と書き込み。
さらに、事務所の掲示板に「殺す」「家族も同じ目に遭わす」といった書き込みも。

そして書き込みの内容が、徐々にデマから殺害予告へと変わり、ファンや家族を巻き込むような文章を書き込まれたり、テレビ局やスポンサーにまで抗議が入ったりするようになり、仕事が激減してしまう。
そんな中、テレビによく出ている元刑事、本で「犯人の1人がお笑いコンビでデビューした」と裏付けもせずに書き、「噂は本当だった」とお墨付きをもらう形に…。

さすがに、「これ以上はヤバイ」と思ったキクチは警察に助けを求めるが、「何かあったら電話してください。ネットの嘘を信じる人なんていません」と一蹴されてしまう。
当時、警察の「ハイテク犯罪対策課」にはネットに詳しい担当者が少なく、何度相談してもまともに取り合ってもらえなかったそう。
そこでキクチは、デマの書き込みをすべてプリントアウトして証拠として保管。デマを書き込まれるようになってから9年たった2008年、やっと刑事が捜査してくれることに。
その刑事は、キクチに対する警察の対応を謝罪し、ネット上でデマを流していた人物を特定。19人を検挙した。
卑劣なネット民と戦い続けたスマイリーキクチは、昨年芸人を引退。現在は自身の経験を生かし、ネットトラブル対処法などの講演活動に尽力している。
記事提供元:テレ東プラス
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