電力会社を乗り換えた41.8%の本音。“電気代の不満”が引き金に【MMD研究所調査】
電力小売りの自由化から年月が経ち、電力会社の選択肢が格段に増えた。消費者はどのような基準で電力会社を選び、また乗り換えを検討しているのだろうか。MMD研究所が2025年5月に実施した「でんきに関する消費者動向調査」の結果では、乗り換えの実態と消費者の本音が明らかになった。選択肢が広がる今、電力会社をどう選ぶべきか見ていこう。

電力会社の乗り換え経験者は約4割!きっかけは電気料金の高さ

MMD研究所は2025年5月23日~27日の5日間、予備調査では20歳~69歳の男女50,000人、本調査では電力会社を乗り換えたことのある1,000人を対象に「2025年でんきに関する消費者動向調査」を実施した。まず家電量販店、またはそれ以外の店頭で電力会社と契約した21,056人のうち、「電力会社を乗り換えたことがある」と答えたのは41.8%。残る58.2%は「乗り換えたことがない」と回答しており、電気の契約に対して保守的な姿勢をとっている人も多いことがうかがえる。

一方で、実際に乗り換えを経験した人たちに理由を聞くと、最も多かったのは「料金が高いから(24.9%)」という現実的な声だった。次いで「他社のキャンペーンが魅力的だったから」「引っ越しをしたから」「家計を見直したから」といった理由が続いた。日常生活の中で固定費を見直すタイミングが、乗り換えの主な動機になっているようだ。節約志向の高まりやキャンペーンの効果、引っ越しというライフイベントなど、生活の転機が乗り換えのきっかけになっていることが明らかになった。
安さだけじゃない?電力会社選びに見る消費者の本音とは

では、乗り換え経験者はその後も積極的に電力会社の変更を検討しているのだろうか。現在契約している電力会社の今後の乗り換え意向についての調査によると、「今後乗り換えを検討している」と答えたのは20.7%にとどまり、半数にあたる50.0%が「乗り換えたいと思わない」と回答した。乗り換え意向が低い背景には、「手続きが面倒」「違約金が発生するかもしれない」「電気料金がかえって高くなる可能性がある」といった心理的なハードルがありそうだ。実際、多くの人が「今のままで特に問題ない」と感じており、生活に直結するライフラインだからこそ、安易な変更は避けたいというのが本音なのかもしれない。

一方で、電力会社を選ぶ際に重視されるポイントについての調査では、「料金の安さ(64.8%)」が最多。次いで「料金プランのわかりやすさ・充実さ」「企業としての安定性」「サービスの安全性」「手続きの簡単さ」などが挙がり、消費者は安さだけでなく、プランのわかりやすさや企業への安心感も求めていることが浮き彫りとなった。
今や、大手から新電力まで、数多くの電力会社が選べる時代になっている。お得さだけを追い求めるのではなく、自身のライフスタイルに合ったプランを見極め、信頼できるサービスを選ぶことが、後悔のない電力会社選びにつながりそうだ。
出典:【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:「photoAC」より)
記事提供元:スマホライフPLUS
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