わかりやすい!金融アプリ経済圏の「今」がわかる相関図がXで話題に
キャッシュレス化、ポイント還元、スマホ決済、アプリでの投資管理。これらはもはや断片的な技術ではなく、一体化した「個人金融の生活圏」へと収束しつつある。
そうした中で、XユーザーのKdroid(@Kdroidwin1)さんが投稿した、デジタル個人向け総合金融に関する企業の相関図が反響を呼んでいる。三井住友、三菱UFJ、みずほの3大メガバンクだけでなく、SBI、楽天、ソフトバンク、KDDI、NTTグループといったIT・通信企業との関係が、1枚の画像にわかりやすく整理されている。

この図は2024年6月21日時点の情報に基づいていると投稿主がリプライで注記しており、現時点では内容に変動がある可能性もある。
Oliveを軸に金融スーパーアプリを狙う三井住友FG

相関図の中心には、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)の戦略サービス「Olive」が配置されている。「Olive」は、銀行、クレジットカード、証券、ポイント、保険など複数の金融機能を1つのアプリと口座で管理できる統合サービスである。
グループ内では、三井住友カード、SMBC日興証券、三井住友銀行が連携しており、さらに外部提携先として、SBI証券やSBI新生銀行との協業、Vポイント統合に向けたCCC(Tポイント運営元)との連携も進められている。
こうした布陣から、三井住友が単なる銀行機能にとどまらず、個人金融の入口そのものを取りにいく姿勢がうかがえる。
三菱UFJ×KDDI連合とドコモ×マネックス連合も存在感
三井住友の戦略に対抗する形で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はKDDIと提携し、「auフィナンシャルホールディングス」を設立している。auじぶん銀行やauカブコム証券を中核に据え、Pontaポイントを中心とした“金融×通信”経済圏の構築を進めている。
NTTドコモはマネックス証券と連携し、「dスマートバンク」や「dポイント投資」などを通じて資産運用サービスへと裾野を広げている。Xのリプライでも、ドコモとマネックスの連携強化を注視する声が見られた。
これらの動きは、共通ポイントを核に据えた通信と金融の連合であり、三井住友に対する有力な対抗軸として注目されている。
PayPay連合と三井住友の関係性は“部分連携”にとどまる
図の左下に位置しているのは、Zホールディングス(LINEヤフー)を中核とするPayPay陣営である。PayPay銀行、PayPay証券、PayPayアセットマネジメントなどを傘下に持ち、アプリ1つで決済・資産運用・口座管理まで完結できる仕組みを築いている。
このPayPay陣営に対して、三井住友フィナンシャルグループが出資を行っていることが図にも明示されている。ただし、この関係性については、リプライ内で「三井住友はPayPay証券などに出資しているが、PayPay陣営と完全に同じとは言い切れない」との指摘も見られた。
投稿主であるKdroidさん自身はこの点について明言はしていないが、資本関係はあっても完全な戦略的統合ではないことが読み取れる。
楽天経済圏は独立型の金融エコシステムを確立

楽天グループは、他の陣営とは一線を画す独立型の金融経済圏を展開している。楽天銀行、楽天証券、楽天カードを軸に、楽天市場や楽天トラベルと連携した“買い物と金融の一体化”を実現している。
Rポイントを中心としたこの構造は、ECと金融が循環するモデルであり、外部資本や他社経済圏との連携を取らず、自社完結を志向しているのが特徴である。
図中でも、楽天は他社との接続線がなく独立した配置になっている。それは同時に自立したプラットフォームとしての強さを示しているともいえる。
金融の主戦場は「どの経済圏に属するか」へ
この図解を通じて浮かび上がる最大のポイントは、金融サービスは銀行を選ぶ時代から、アプリ(経済圏)を選ぶ時代になったということである。
銀行、証券、保険、ポイント、決済、それらをひとつのアプリ上で統合する動きは加速しており、もはや従来の枠組みでは語れない構造になっている。金融機能がどのアプリで完結するかが、今後の覇権を決するカギになる。
リプライ欄でも、「フロントエンドをどこが取るか」という視点や、「この図を見て自分の経済圏を見直すきっかけになった」といった声が見られ、生活者の関心が資本構造や経済圏の選択へと移っていることが明らかである。
※図解は2024年6月21日時点の情報に基づくものであり、現時点の資本関係やサービス構造とは一部異なる可能性がある。
こんな感じです。 https://t.co/MDDgTutaj8 pic.twitter.com/LAAbCY9Mdy
— Kdroidwin (@Kdroidwin1) May 14, 2025
※サムネイル画像(Image:「Kdroid(@Kdroidwin1)」さん提供)
記事提供元:スマホライフPLUS
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