京急、2025年度の設備投資 総額370億円、品川駅周辺の連立事業の推進、ホームドアの設置、車両の代替新造など
京浜急行電鉄は12日、2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表しました。ホームドア設置、連立事業などを推進し、総額で約370億円を投じる方針です。
同社は安全対策強化に約186億円、ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供に約131億円、環境負荷の低減に約10億円、そして将来の成長に向けた投資に約43億円を充てる計画です。
品川駅付近(泉岳寺~新馬場駅間)連続立体交差事業の推進

品川駅付近の連続立体交差事業では、泉岳寺―新馬場間の品川第1踏切道(八ツ山通り)など3カ所の踏切が慢性的な渋滞の原因となっていました。この区間を東京都の都市計画事業として高架化し、踏切道を除去します。

併せて品川駅を地平化し、2面4線へと改良します。2025年度は、高架橋仮設化工事や八ツ山跨線道路橋の架設工事を引き続き進め、早期完成を目指します。
車両の代替新造、車内防犯カメラ設置
車両面では、より安全で快適な車内環境を実現するため、1000形8両編成2本(計16両)の代替新造を実施します。近年相次ぐ鉄道車内での傷害事件を受け、地上側でリアルタイムに映像を確認できる新型防犯カメラを2026年度末までに全車両へ導入するとしています。

また、車体更新に併せ、車いす・ベビーカーや大きなトランクが置けるような多目的スペースを設置や、非常通話装置の増設、固定窓の一部開閉化などを行います。
ホームドア設置を拡大、駅改良工事
ホームドアについては、ホームからの転落・接触事故を防ぐため、2024年度末までに17駅へ設置済みですが、2025~2028年度にかけて新たに24駅に設置する計画です。

2025~2028年度の設置予定駅は以下の通りです。
新馬場駅、鮫洲駅、立会川駅、大森海岸駅、大森町駅、京急蒲田駅(2・5番線)※、雑色駅、六郷土手駅、八丁畷駅、弘明寺駅、屏風浦駅、杉田駅、横須賀中央駅、県立大学駅、糀谷駅、大鳥居駅、穴守稲荷駅、天空橋駅、京急川崎駅(3番線)※、港町駅、鈴木町駅、川崎大師駅、東門前駅、大師橋駅、小島新田駅、京急久里浜駅。
(※は設置予定駅数に含まず)
駅設備の改良では、神奈川新町駅でエレベーター・エスカレーターの新設や歩道橋の整備に着手し、駅周辺との一体的な移動円滑化を図ります。
花月総持寺駅では、橋上駅舎の耐震補強やトイレ新設を進める計画です。
将来への投資、羽田空港での駅引上線新設&泉岳寺駅改良工事
航空需要の回復を見据え、羽田空港第1・第2ターミナル駅に引上線を新設し、駅改良工事を進めています。国土交通省との協力により、輸送力の増強と利便性向上を目指すとしています。

また、再開発が進む品川駅北地区に対応するため、泉岳寺駅のホーム幅を現在の約5メートルから10メートルへ拡幅し、コンコース拡張や昇降設備の増設によるバリアフリー化を進めるとしています。

同社は照明設備のLED化など環境負荷低減に向けた取り組みを推進するほか、今後の労働力不足への対応や事業効率化に不可欠とされるICT(情報通信技術)分野への投資も着実に進めるとしています。
さらに、クレジットタッチ決済対応の自動改札も順次拡大し、2025年度中の全駅導入を目指すとしています。(画像:京急電鉄)
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記事提供元:鉄道チャンネル
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