日本人初のウェルター級世界王者奪取へ佐々木尽が練習を公開。自身の等身大パネルを破壊するパフォーマンスも【Lemino BOXING】

日本人初のウエルター級世界王者を目指すWBO同級2位の佐々木尽(八王寺中屋)が12日、東京・八王子市内のジムで練習を公開した。佐々木は19日、東京・大田区総合体育館「NTTドコモ Presents Lemino BOXING」でWBO同級王者のブライアン・ノーマンJr(米)にチャレンジする。
23歳の若武者、佐々木が公開練習で早くも意気込みを見せた。縄跳び、シャドーボクシング、ドラムミット打ちを披露したあと、いきなりリング内に1年前と3年前に作った等身大パネルを持ち込んで、持ち味の強打でパネルを破壊するパフォーマンスを披露した。
真意を問われた佐々木は「昔の自分は強くなかった。ディフェンスが甘い。あれでは世界に通用しない」と過去の自分を一撃で仕留めたと説明。その上で「今はスパーリングでパンチをもらわず、引き出しが増えた」と世界タイトル獲得に大きな自信を示した。
とはいえ、佐々木が戦うウエルター級は過去に日本人世界チャンピオンが一人も誕生していない未踏のクラスだ。チャンピオンのノーマンはここまで29戦して27勝(21KO)2無効試合と負けなし。スピードのあるオールラウンダーで、中屋廣隆トレーナーによれば戦前の予想は2-8で佐々木=19勝(17KO)1敗1分の不利が伝えられる。
それでも高校生でプロデビューし、ボクシングに人生を懸けてきた佐々木は「絶対に勝てると思っている。命を懸けている」と必勝を宣言。佐々木が13歳のときから指導を続ける大ベテランの中屋トレーナーは「大きな幹を作り、枝葉をつけて今、実の成るときが来た」と愛弟子が大輪の花を咲かせるシーンをイメージしてみせた。
テクニックやスピードではノーマンが上回ると見られている一方で、強打のパワーなら佐々木も引けを取らない。日本でウエルター級は10オンスのグローブを使うが、今回はより小さい8オンスのグローブで試合は行われる。
この事実を数週間前に知ったという佐々木は「本当にうれしい。8オンスならグローブのどこに当たっても倒れる感覚がある」と小さなグローブを大歓迎。持ち前の強打を爆発させ、日本ボクシング史に新たなページを刻もうとしている。
文・写真=渋谷 淳
【制作・編集:Blue Star Productions】


記事提供元:Lemino ニュース
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