原口元気が味わった真の挫折。代表落選当日の心境ともがき続ける今を明かす『NumberTV』第19話

『NumberTV』第19話
NTTドコモの映像配信サービス「Lemino(レミノ)」では、さまざまなジャンルのトップアスリートを招き、彼らの競技人生における「最大の挫折」の真実に迫る『NumberTV』を配信している。その時何を感じ、どう壁を乗り越えたのか。選手本人が当時の写真と向き合いながら、復活までの道のりを明かす本格ドキュメンタリーだ。#19では、サッカー・原口元気選手の挫折と苦悩に迫る。
「正気でいられなくて、自信がブチッとちぎれていく感じ」
W杯ロシア大会。すべてを出し切って、勝てなかった。原口はエデン・アザール選手やケビン・デブライネ選手の名をあげ、しっかり違いを見せられたという。その相手に対して非常にいい試合をしたが、ベスト8の壁は突破できなかった現実。次大会でのリベンジを誓い、選手としての幅を広げるためにサッカーを学び直した。原口が新たな自己改革をするために手助けを求めたのが、多くのスペイン代表選手と仕事をし、実績も十分なジョアン・ビラだった。ジョアン・ビラとのセッションを行い、中でもプレーできる選手となった原口は「勉強し始めてからは中でのプレーの楽しさを学びました」と話す。
自身をアップデートし、欧州の最前線でプレーを続けていた原口は、W杯カタール大会のアジア最終予選でも出場を重ね、日本代表の7大会連続となるW杯出場に貢献した。原口にとってW杯カタール大会は、31歳という年齢から集大成として自分のキャリアをぶつけるつもりで臨もうと思っていた特別な大会だった。そのW杯でドイツ代表と戦えることが決まり、そのことがこれ以上ないモチベーションとなっていた原口。ドイツに勝つという目標を掲げ、もう一段階ギアをあげてトレーニングに励んでいたという。
しかし、日本代表メンバー発表の日、そこに原口の名前はなかった。当時について原口は「正直な話、4年半で呼ばれなかったことが一度もなかったので。あまり気にしてなかったんですよね、(代表に)入ると思っていたので、起きてメンバーを見ればいいかと。朝早く起きずに、トレーニングの前に起きてネットでメンバーを見たら名前がなかったので...。隣で寝ていた妻に『えっ名前ないんだけど』っていう話をしたのを覚えています」と明かす。そして「挫折は多々あると思うんですけど...初めてかもしれないですね。本当に自分自身が正気でいられなくて、自信がブチッとちぎれていく感じを味わったのは。ブラジルに行けなくてドイツにわたって、そこでも通用しなくて、変化していって...でも根本的な部分で自分自身を信じていたし、『自分なら必ずW杯で活躍できる』『自分の素晴らしいキャリアを築いていける』という自信は、挫折があっても全然崩れてこなかったんですけど。ロシアから続いて努力して努力して、賭けていたものだったので、頭が真っ白になり。初めて挫折みたいなものを感じたのかもしれないです」と目に涙を浮かべながら振り返る。
大きな失意を経て、原口はひとつの決断をくだす。翌季チャンピオンズリーグ出場の可能性を残していたウニオン・ベルリンから当時残留争いをしていたシュツットガルトへの移籍を決めたのだ。しかし、そこでも試練が待っており...。
【制作・編集:All About編集部】
記事提供元:Lemino ニュース
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