運転免許証返納「考えていない」人が多数派 親に伝えるタイミング、どうする?
高齢化が進む日本で、近年ますます深刻化している、高齢ドライバーによる交通事故。75歳以上が関与する重大事故が起きやすいという統計が出ているが、自分の親や祖父母はまだ運転している……という人も依然として多いのではないだろうか。株式会社NEXERと合宿免許in静岡による調査より、運転免許証返納について世の中の人たちの関心度を見てみよう。

免許返納を考えている人は少数派。多くは時期を決めていない?

NEXERと合宿免許in静岡は2025年5月、事前調査で「運転免許証を取得した」と回答した全国の男女686人に、運転免許証返納に関するアンケートをとった。
将来的に運転免許証の返納を考えているかの調査では、「考えている」と答えた人は33.1%にとどまった。高齢者による事故が多く聞かれるようになっても、6割以上はまだ考えていないという結果だ。

では、将来的にどのタイミングで返納しようと考えているのか?調査の結果64.8%が「運転が難しく感じたら」と回答し、多くが特に時期を定めていないことが判明。「年齢で決めるよりは自分が無理だと思った感覚を大事にしたいと思うので。(30代・女性)」「クルマはある程度必要なので、いよいよと感じるまでは運転したい(60代・男性)」といった声から、体力の衰えには個人差があることや車が生活必需品であることが理由となり、タイミングが曖昧になっている傾向が読み取れる。

一方で「年齢で決める」と答えた人は3割。計画的に返納時期を定めている人も一定数いるようだ。「年齢で決める」と回答した人に設定時期を聞いてみたところ、もっとも多かったのは「70~74歳」だった。
実際に症状を感じたその瞬間に事故が起こる可能性はゼロではない。重大な事故を起こしてしまう前に、自分で返納時期を決めておくことが一番の安全策であることは間違いないだろう。
自分も、家族も、免許返納はいずれ向き合わなければいけない問題

自身の親や祖父母などに運転免許証返納をすすめたことがあるかの調査で、「ある」と答えた人は16.3%。どんな反応が返ってきたのかを見ると、「消極的な反応が返ってきた」という人が多いようだ。「身分証明書がなくなるから無理だと言われた(40代・男性)」「車がないと不便だからと、不満そうな表情を見せた(30代・女性)」と、生活が不便になるため渋られたという声や、「こちらが腹の立つようなことしか言わなかった。まったく危機感を持って考えてはくれなかった(50代・女性)」と、危うく親との関係が悪化しそうになった声も。一方で、「すぐに返納しに行っていました(30代・女性)」「もう少ししたら返納して、タクシー利用すると言っていた(40代・女性)」と前向きな反応が返ってきた人もおり、声をかけることの大切さも感じられた。
親世代も子世代も、運転免許証返納を自分事として捉えることは、自身や家族の安全確保のために非常に重要となってくる。運転免許証返納のメリットとデメリットもよく考えた上で、自主返納時期や車の代替手段の検討を家族で話し合っておくことが必要かもしれない。
出典:【合宿免許in静岡】
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記事提供元:スマホライフPLUS
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